インタビュー

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【 社長インタビュー 】

日本海航路、利用広がり 需要応え期間限定増便も 

2026年10月13日

近海郵船 関 光太郎 社長

 近海郵船(本社・東京)の敦賀(福井県)―博多(福岡市)航路の利用が広がっている。安定的な輸送力確保に向け海上モーダルシフトに関心が高まる中、9月16日~12月上旬まで期間限定で増便しデイリー運航を開始した。関光太郎社長は「特に敦賀港は北陸信越や中部、関西方面への利便性が高い」とし、中国・瀬戸内海地方でも利用メリットがあると呼び掛ける。

 ――海上輸送への関心が高まっている。
 関 当社は太平洋・日本海側で定期RORO船航路を運航しているが、いずれも利用が伸びている。特に敦賀―博多航路は、敦賀港から関西・中京・北陸方面への交通利便性が良く、一貫輸送の利用が増えてきた。東京―大阪―那覇航路のうち、東京―大阪航路も急ぎでない貨物を中心に海上輸送が選ばれ、着実な手応えを感じている。
 ――敦賀―博多航路の認知度が向上している。
 関 フェリーの主要発着港は大阪南部にあり、大阪北部や京都、滋賀の利用者の中には、敦賀港を使って博多港に輸送する選択肢が増えている。中部圏の顧客も同様の理由から、日本海側ルートの認知度が高まってきた。リードタイムもフェリーと遜色なく、集荷3日目配送ができる点が評価されているのではないか。
 ――敦賀港は鞠山(まりやま)南地区の拡張工事で利便性が高まった。
 関 新岸壁の整備で、北海道航路と九州航路の接続バースの距離が大幅に縮まり、乗り継ぎ時間の短縮、港湾荷役作業の安定したスケジュール確保など、リードタイムと品質向上につながった。敦賀港を中心に陸送協力会社のネットワークも広げており、関西・中京・北陸県内の一貫輸送の需要に対応可能な体制を拡充している。

敦賀―博多でデイリー運行

 ――敦賀―博多航路で期間限定の増便を始めた。
 関 9月16日~12月上旬の予定で、従来1隻だった航路にRORO船「とかち」を投入し、デイリー運航している。近年は、農産品を中心に北海道発九州向け貨物の輸送需要が高く、2隻体制にすることでニーズを確実に取り込み、北海道発のピークシーズンをしっかり押さえたい。
 ――以前から増便の要望があった。
 関 年内には(とかちを)ドックに入れて定期点検しなければならず、期間限定となるが、これまでも一定数の利用者からデイリー化の要望があった。内航船の輸送統計では下期に輸送量が増える傾向にあり、これから繁忙期を迎える時期に増便することは手応えを測る良い時期になる。
 ――来年以降も2便体制を検討する。
 関 ドックの日程などとの兼ね合いもあるが、今回の増便を機にさらなる航路の利用拡大に対する期待はある。船社として、重要なことは常に走らせることができる船を保有し、需要があればどこにでも投入できること。ニーズを踏まえ、今後の展開を改めて検討したい。

労働時間管理で利点大きく

 ――博多港でもインフラ整備が進められている。
 関 箱崎ふ頭地区の北側・南側に水深9メートルの耐震強化岸壁が整備されることで、船舶の大型化に対応できる。岸壁の拡充により、港湾荷役作業員も広く安全な環境で業務を行える。2030年代前半という比較的近い完成時期が示されていることは、船社・利用者のどちらにとっても利用を検討しやすい安心材料になる。
 ――中国地方を含めさらなる利用を見込む。
 関 博多港から苫小牧港まで輸送しても4日目配送ができ、リードタイム、労働時間管理のしやすさという利点がある。最近では、山口に拠点を置く利用者が博多港まで貨物を持ち込み、北海道まで輸送する事例も出てきた。瀬戸内海地方は食品加工業などが集積しており、日本海側航路の利用も検討してほしい。