インタビュー

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【 この人 】

24年問題、目前の課題

2024年07月02日

中日本高速道路
縄田 正 社長

6月、小室俊二前社長からバトンを引き継ぎ、民営化以降5人目の社長に就いた。「安全で快適な高速道路サービスを提供するとともに、将来を見据えた機能の進化も重要」と抱負を語る。

2012年に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故は、二度と起こしてはならないと深い反省と強い決意を胸に抱く。今や事故後に入社した社員が全体の4割を超え、「事故の記憶と教訓は決して風化させてはならない」と安全最優先の意識を徹底する。

高速道路を取り巻く状況は大きく変化している。中でも「物流2024年問題は目の前の課題」と対処する考え。管内は東名阪の大動脈となる東名高速道路、新東名高速道路、新名神高速道路などを受け持ち、物流業界とは共存共栄の関係だ。

まずドライバーが安心して利用できる環境を加速させる。サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)では大型駐車ますの拡充を継続する。日帰り運行に役立つ中継拠点コネクトエリア浜松のさらなる利用も促していく。また深夜割引の見直しが24年度をめどに始まるが、「集中して作業に当たる」と万全の体制を敷く方針。

インフラの整備も続く。対面通行を解消する4車線化と新名神高速の6車線化の実現は安全性の向上に寄与するため早期の事業化を目指す。さらに、完全自動運転の実現など次世代の高速道路像を具現化していく。

大学時代、アメリカンフットボールで汗を流した。発祥地米国のコーチから技を教わったが、「7割は褒めること」を深く胸に刻んだ。現場社員とコミュニケーションを密接に図り、経営理念の社会貢献を果たしていく。