インタビュー
【 この人 】
海上輸送の魅力発信
2025年11月18日
東京九州フェリー 村上 玉樹 社長
6月、小笠原朗前社長からバトンを引き継いだ。「海上輸送の魅力を多くのトラック企業に知ってもらい、モーダルシフトに挑戦してもらいたい」
大学卒業後、運輸省(現・国土交通省)に入省。海事分野に関わる部署でキャリアを積んだ。退官後は北海道―青森間を結ぶ津軽海峡フェリーなどで采配を振ってきた。「同じ内航フェリーだが、航路の特性やユーザーの特徴、繁閑期などが大きく違い、初心に戻って業務に打ち込んでいる」
運航する横須賀(神奈川県)―新門司(北九州市)は、高まるモーダルシフト需要の取り込みを目的に、2021年に運用が始まったSHKライングループの最新鋭の戦略航路。新門司発の上り便では工業製品、半導体関連品、農産品、日用品の取り扱いが中心となっている。横須賀発の下り便では冷凍食品や宅配貨物、雑貨などを運んでいる。就航から4年目を迎え「コロナ禍を乗り越え営業が進展し本来の実力が発揮され、利用は増加している」。
対処しなければならない課題もある。一例が貨物量の偏り。時期や曜日によるが、下り便に比べ上り便の船腹に余力が生まれやすい傾向にある。「西日本では陸送が輸送の主流で、フェリーの活用が浸透していない」ことがバランスの悪さの一因となっている。是正に向けては、九州を地盤とするユーザーに海上輸送の特徴や利点を周知する取り組みを重ねる考えだ。
趣味は散歩を兼ねた食べ歩き。勤務する東京、横須賀、九州を中心に地域の名産品などが食べられる飲食店を探求。「食べ過ぎには注意している」
