インタビュー

【 この人 】
地域密着で繁栄する

2017年08月08日
備後通運 大山 茂生 社長
日本通運鳥取支店長から備後通運社長に5月、就いた。「歴史の重みを感じ、気を引き締めている」
日通グループの一翼を担う備後通運は昭和18年設立。平成30年には75年の節目を迎える。本社を置く広島県福山市を中心とした備後地域に根付いたサービス展開で顧客基盤は厚い。「これまで築いた財産を生かしながら、将来にわたって繁栄する会社にしたい」
29年3月期売上高は約97億円。100億円の大台を前に足踏みが続くが、「達成したい目標」。成長の柱と位置付けるのが国際物流だ。
製造業やアパレルが集積する備後地域の顧客は中国・東南アジアとの取引が多い。国際航路が発着する福山港を核に、通関、冷凍・冷蔵倉庫、ワイン庫といった保管、流通加工、配送の海陸一貫サービスを提供。売上高に占める割合を現在の約22%から3~4割に引き上げたい考えだ。
2年前から地元JAを通じて、農家の支援事業を行っている。毎日2~3人の社員を派遣し、キャベツ、白ネギ、ホウレンソウの収穫や種付けなど作業を手伝う。生産量の低下を防ぎ、輸送量を確保する妙案。「地域密着を欠かさない姿勢がここにある」
人材確保と育成は目下の経営課題。福山市のトラックドライバーに限った有効求人倍率は3倍を超え、全国平均を大きく上回る。他社の採用意欲も高く、難題だ。若年層の確保で学校訪問を進めるが、「一工夫が鍵」と戦略を練る。
これまでの赴任地でNHK「のど自慢」に2度、参加。自慢の歌声を披露するも、本戦出場はかなわず「今度こそは」。公私共に目標に突き進む姿を社員に示す。
(遠藤 仁志)