インタビュー

【 この人 】
安全に特効薬なし

2017年06月20日
三菱ケミカル物流 福田 信夫 社長
三菱化学在職中は、物を造って売るという仕事で、物流サービスを受ける側だったが、提供する側になった。だが「顧客に製品を届けるという点で、仕事として大きな差はない」と考えている。
経営に当たっては、危険物輸送を担うため、安全と安心を第一に、物流サービスの品質を高めていく。「安全に特効薬はない。社員一人一人が、安全に対する意識を集中できるように、メッセージを発信し続けたい」。現場社員の教育を進め、この数年で、休業が必要な労働災害の件数は確実に減少した。今年からは、小さなミスをいかに減らしていくかが課題だ。
事業環境については、ドライバー不足で、いままでのように物を運べなくなりつつあると考える。「適正なサービスには、適正な対価が必要になることを、親会社をはじめ荷主に説明し、理解してもらう」。輸送効率化の一環で平成27年から、住友化学のグループ会社の住化ロジスティクスとの小口品共同配送が始まった。中継輸送も、グループ会社の菱化ロジテックを通じ、実験中だ。
数値目標として、5カ年中期経営計画の最終年度である32年度に、売上高1030億円を目標にしている。「原油の値下がりで、当初の見込みよりも遅めだが、売り上げ自体は伸びている。達成は可能と考える」
売り上げの7割は、三菱ケミカルホールディングスグループの業務だ。事業展開をサポートしながら、外販も伸ばす。
趣味はサッカー。「中学生の頃にサッカーを始め、いまでも地元のチームでプレーしている」。そのためにジョギングを欠かさず、健康づくりには余念がない。また、サッカー日本代表の活躍に期待しており、関東で開催される日本代表の試合を観戦することも楽しみの一つだ。
(略歴)
ふくだ・のぶお=昭和33年12月9日生まれ、58歳。宮崎県出身。56年東大理卒、三菱化成工業(現・三菱ケミカル)入社、平成24年三菱化学(同)執行役員、29年3月三菱化学物流(現・三菱ケミカル物流)取締役兼副社長執行役員、4月1日社長に就任。(鈴木 洋平)