インタビュー

【 この人 】
地域に愛される存在に

2017年03月14日
鹿児島県トラック協会 中村 利秋 会長
会長就任から半年余り。「責任の重さをひしひしと感じている。事業者が安心できる環境整備に努めていく」
本土最南端の鹿児島県は大消費地から遠く、法令を守るには「高速道路の利用なしでは考えられない」。営業車特別割引制度や大口多頻度割引50%の恒久化に加え、長距離逓減制の割引区分と割引率の拡大を「粘り強く要望していく」。
法令順守に向けては手待ちや荷役の軽減で荷主の協力も必要。労働時間改善協議会のパイロット事業では「成果を挙げたい」と期待を寄せる。県内産業を存続させるために取引環境の整備は「欠かせない」。
また「少子高齢化が進む鹿児島は、特に若年層の確保が急務」。大型、中型、けん引免許の取得助成に加え、12日に新設される準中型免許でも会員が負担する分の半額を補助する方向。ドライバーや運行管理者が学校に出向いて行う出前講座などを通じ、運送業への関心も高める。
安全対策は「運送業に課せられた社会的な責務」と力を込める。昨年、陸上貨物運送事業労働災害防止協会と共同作成した研修用DVDを全会員に配布した。高齢者向けの交通安全教室やドライバー研修も随時実施。昨年12月、鹿児島県内事業者のGマーク(安全性優良事業所認定)取得率17.9%を、平成30年度に30%に上げる目標も決めた。事業者への広報活動を積極展開する。
2月、交通安全の標語を記した横断幕を県内の大丸小学校に寄贈した。通学時の車の行き交いを不安に思う生徒の作文がきっかけ。ト協は小学校、警察からの呼び掛けに素早く対応した。「非常に喜んでくれた。運送業が地域に愛される存在になってくれれば」。趣味は旅行。
(略歴)
なかむら・としあき=昭和24年6月23日生まれ、67歳。鹿児島県出身。43年鹿屋農高卒、47年中村運送入社、平成11年社長。26年鹿児島県トラック協会副会長、28年6月会長。(丸山 隆彦)