インタビュー

【 この人 】
新たな発想を重視

2016年08月23日
諏訪倉庫 小宮山 英利 社長
12年間社長を務めた牛山英一氏(現会長)の後を受け6月、トップに就任。20歳若返った新社長の下、設立107年を迎えた総合物流企業の新たな将来像をつくり上げていく。「多くの先輩たちの努力で基盤が築かれてきた。プレッシャーを感じているが、精いっぱい取り組んでいきたい」
地元の代表的金融機関八十二銀行で28年間勤務。主に法人融資部門を担当。取引先の企業に経営の助言を数多く提供してきた。「銀行時代、数千社の経営をつぶさに見てきた経験も生かし、新たな視点に立った経営を目指す」とにこやかな表情で語る。
重視することは何か。社員たちへの期待の言葉に強い思いが凝縮されている。「いまのやり方が最善か疑問を持って常に考えることが大切。日々の業務で前例を踏襲していけば間違いはない、という考えに陥っては成長できない。現状にとどまることは後退につながる」
前向きな姿勢で成長してきた過去に学びたい。この思いで諏訪倉庫に入ってから、改めて歩みをたどってみた。発見したのは先人たちの「先見性の鋭さ」。質素堅実な社風を定着させながら、事業拡大、果敢な設備投資を実践し続けた。時代の変化を読む視点が会社の土台をつくってきた。
「装置産業として大手には規模で勝てない。会社は小粒でも、社員の能力で独自の高品質サービスを目指す」。ハイレベルの現場作業力はその一つ。オペレーターは全て自社社員が担う。社員の離職率が低いのも同社のカラー。
「入って本当に良かったと言ってもらえる企業であり続けたい」。人を大切にする経営を掲げ、顧客に対しても誠実な努力を積み重ねていく。
(略歴)
こみやま・ひでとし=昭和36年10月12日生まれ、54歳。長野県出身。60年駒沢大経済卒、八十二銀行入行、長野駅前支店長などを歴任後、平成25年諏訪倉庫入社し取締役、26年専務を経て28年6月20日社長就任。(谷 篤)