インタビュー

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【 この人 】

新天地から鉄道応援

2025年11月25日

鉄道貨物協会 永田 浩一 理事長

 5月、神立哲男前理事長からバトンを引き継いだ。就任時の感想は「晴天のへきれきだった」。JR貨物や全国通運時代に貨物鉄道事業に携わった経験を生かしつつ、業界団体のトップとして、貨物鉄道のさらなる成長と利用拡大を後押しする。
 1995年のJR貨物に入社後、東北・関西の支社長や経営統括本部長、全国通運社長を歴任し、貨物鉄道への思いは人一倍強い。「今後は公益法人という新たな立場から、貨物鉄道を盛り上げていきたい。年齢を考えると最後の仕事になるが、やりがいのある仕事に従事できて光栄に思う」
 1950年に発足して以降、地道に活動を続け法人と個人合わせて2800会員まで拡大。貨物鉄道業界団体として最大規模を誇る。一方、この10年ほどは会員数が減少傾向にあることが課題。「これまで培った人脈を駆使しつつ、会員数の増加に向け、認知度を高める取り組みを展開する」
 今年度20周年を迎えたエコレールマーク事業の認知にも力を入れる。この数年、エコレールマークを使用できる認定企業数が頭打ちの傾向にあり、貨物鉄道の利用を広げるためにはさらなる取り組みが不可欠。今年度から開始した表彰制度を活用するほか、新たな施策も検討していく。
 会員と直接対話する機会を積極的に設ける。本部が主催する行事や全国18支部が開催する総会などの場を活用し、会員から鉄貨協への要望や改善点の聞き取りを実施。生の声を協会運営や施策に反映させ、業界の持続的な成長につなげていく。
 最近は故郷の岩手県の郷土史に熱中。「近世の南部藩の歴史が興味深い」。