インタビュー

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【 全ト協・事業者大会特集 特別インタビュー 】

挑戦は楽しみで生きがい 自分の気持ちを大切に

2025年10月14日

元AKB48 まちゃりんさん

 昨年2月、8年間在籍したAKB48を卒業したまちゃりんさんは、これまでの人生を振り返り「一番挑戦したのはAKB48に加入したこと。何もかもゼロからのスタートだった」と話す。現在、モデルやキャラクタープロデュースなど活躍の場を広げる中、「挑戦することが楽しみで生きがい。『やりたい』という自分の気持ちを大切に、仕事を楽しんでいる」と言う。「モノがすぐに届く便利な時代は、皆さんの力で支えてもらっている。改めて感謝したい」と物流業界へエールを送った。

 ――昨年、AKB48を卒業した。
 まちゃりん 2015年に台湾で行われたオーディションに合格し、8年間のグループ活動を通じてさまざまなチャンスを与えてもらいました。卒業し、事務所からも独立すると決めた時は、すごく不安で泣いていた時期もありました。ただ、望むことを制限なくできるようになり新たに挑戦できる気持ちもありました。
 ――今は幅広いジャンルで活動している。
 まちゃりん 現在はタレントやモデル、アパレルデザイン、自身が考案したうさぎのキャラクター「ぱみぃ」のプロデュースの仕事も始めています。卒業してから1年半ほど経過しましたが、今は新しいチャレンジがすごく増えていて、日々とても楽しんでいます。

個人活動増え卒業を決意 

 ――卒業を決めた理由は。
 まちゃりん 前提として、AKB48のメンバーは必ず最後は卒業しなければいけません。ある程度キャリアを重ねると、卒業のタイミングを何度も考えるようになります。ただ、「今卒業しても自分は何者でもない」と感じて、なかなか一歩を踏み出す勇気がなかったんです。
 ――きっかけとなったのは。
 まちゃりん 私には、お芝居をしたいという目標がありました。ただ、なかなかチャンスに恵まれなかった。そのような中で、自分から発信し23年には舞台に7本出演できるようになりました。
 ――自らの発信が増えていった。
 まちゃりん 個人イベントの開催や、キャラクターのデザインの発表など新しい挑戦が増えていきました。気が付いたら、アイドルの活動は自分の中では3割くらいなっていたんです。グループの力がなくても、私は自分のやりたいことができるのだと自信が付き、卒業する決心が付きました。
 ――卒業後に取り組んだことは。
 まちゃりん まず、写真集を発刊しました。卒業が24年2月20日で、その翌週にはインドネシアのバリ島に撮影をしに行きました。その後、舞台に出演。写真集の発売イベントの準備と同時に、大阪で行われるファッションショーの関西コレクション(関コレ)に初めて出演しました。
 ――ファッションイベント出演経験は。
 まちゃりん これまでランウエー(花道)の経験は、19年のファッションイベント「ガールズアワード」だけでした。その時は、AKB48内の投票で選ばれました。ファンの応援や協力があっての出演です。関コレでは、ファンの力を借りずに自分の力で出演が決まり、すごくうれしかったことを覚えています。そこから、昨年の8月、今年の3・8月と3回連続で出演しました。自分にとっては一つの大きな夢がかなった瞬間でした。

投資などの勉強も

 ――キャラクタープロデュースにも力を注ぐ。
 まちゃりん 1月から自身が生みだしたうさぎのキャラクターぱみぃの商品として、チーズケーキをプロデュース・販売しています。ファンにもすごく好評で、何度も購入してもらっています。最近は、仕事を通じて投資も始めました。表舞台に立つ仕事だけでなく、経営や自身の事業に役立つ勉強にも取り組んでいます。
 ――これまでの人生で、一番挑戦したことは何か。
 まちゃりん 一番は、やっぱりAKB48に加入したことです。普通の大学生からアイドルになっただけでなく、単身で異国に渡るなど何もかもがゼロからのスタートでした。あれ以上の挑戦は今後の人生でないと思うし、ここまで来れたことは本当に奇跡だと感じています。
 ――当時の自分をどう振り返る。
 まちゃりん 今は挑戦して良かったと思いますが、当時は本当に大変でした。周りは先輩ばかりで同期がいない上に、自分の言葉が分かる人もいません。当然、周りの人が話すことも自分には分からない。本当に自分に合う道なのかと悩み、つらい時期もありました。今年でデビュー10周年になりましたが、これまで頑張ってきた過去の自分に「ありがとう」と言いたいです。
 ――挑戦することの意義は。
 まちゃりん 芸能界は選ばれた人しか活動できない世界。だからこそ、自分の実力を認められ依頼された仕事をしている時が一番楽しいし、幸せな瞬間。私にとって挑戦することは、楽しみであり生きがい。変化は成長につながる過程の一つだから、「やりたい」という自分の気持ちを大切にして、楽しみながらいろいろなことに挑戦していきたいと思います。

バラエティーに意気込み

 ――今後、挑戦していきたいことは。
 まちゃりん AKB48時代に「AKBINGO」というバラエティー番組にレギュラーのように毎回出演させてもらっていた時期がありました。今改めて、バラエティーに挑戦したい気持ちがふつふつと湧いています。卒業してからはなかなか機会がなかったですが、今後は注力して頑張っていきます。

全ての運ぶ人に感謝

 ――物流業界のイメージは。
 まちゃりん これまであまり意識していませんでしたが、世の中の人が使っている全てのモノは、運んでくれる皆さんの力があってこそ。6~7月に連載したまなびカフェでの取材を通じ、改めて感謝してモノを使いたいと感じました。
 ――印象的なエピソードは。
 まちゃりん 3月に台湾から両親が遊びに来た時に、自身がプロデュースしたぱみぃのチーズケーキを食べてもらいたくてECサイトでたくさん注文しました。関西の工場で作られたケーキを、東京まで1~2日で届けてくれます。冷凍で、すぐ届く便利さにとても感謝しました。
 ――両親の反応はどうだった。
 まちゃりん 両親には「おいしい」とたくさん褒めてもらいました。これも物流に携わる多くの人に運んでもらえたからこそ。繊細なチーズケーキが冷凍の状態で運ばれ、きれいにそのまま届くって本当にすごいことです。
 ――物流業界へエールを。
 まちゃりん 世の中のモノは、恵まれた今の時代と、皆さんの力のお陰で自由に使わせてもらうことができます。すごく大変な仕事だと思いますが、皆さんの力があるから便利な時代が支えられています。取材を通じて物流業界の話を聞き改めて感じたこともたくさんあります。モノを使う時に、感謝の気持ちを込めて使っていきたいと思います。

記者席 大好きな仕事が活力

 日本を代表するアイドルグループで活動し、現在は料理やイラストといった自身の強みを生かして活躍の幅を広げるまちゃりんさん。やりたい仕事に全力で取り組む背景には、AKB48時代の仕事で選ばれなかった時の悔しい気持ちがバネになっているという。
 また、「シンプルに仕事が好き」とまちゃりんさん。仕事が趣味のようになっていて、キャラクターやお菓子のプロデュースなど自分のやりたい仕事にチェレンジすることが日々のモチベーションになっていると話す。
 自身が手掛けるキャラクター・ぱみぃでは、現在チーズケーキとリンゴジャム味のプリンを販売している。第2弾の発売に向けて準備を進めているという。
 「今が一番楽しい」とまちゃりんさん。今後の活躍に目が離せない。