インタビュー

【 この人 】
運送業のGXサポート

2025年09月24日
環境優良車普及機構 武藤 浩 会長
「国内外でGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進のトレンドが高まっている。自動車分野のうち、トラックは二酸化炭素排出量が大きい。LEVO(環境優良車普及機構)として、GXで成果が出るよう努力することに尽きる」
1979年の運輸省入省以来、自動車局長を含めさまざまな部局を歴任し、事務次官まで勤め上げた。常に情報収集を心掛け、企業や関係省庁から話を聞き、積極的に意見を交わしてきた。「いろいろな人との会話を通じて情報を集め、必要な判断を下してきた。LEVOでも企業の声に耳を傾け、反映させる姿勢は変わらない」
自動車の環境対策で思い出深い出来事がある。自動車局長時代、ガス業界と共に商用NGV(天然ガス自動車)の普及の必要性を自動車メーカーに説明し、その後の大型CNG(圧縮天然ガス)トラックの国内販売につなげた。この動きはさらに進化し、現在は大型LNG(液化天然ガス)トラックの開発・実証事業にまで広がっている。
LEVOでは環境対応車のリース事業に加え、近年は培った知見とノウハウを活用したコンサルティング事業を展開。二酸化炭素排出量の算定支援、EVトラック・バスの導入支援などを通じ、運送業のGXをサポートしている。「LEVOの強みは常に企業と会話をしていること。現場で何が必要かを把握し、行政に伝えることで、さらなるGXを推進したい」
現在、京大公共政策大学院の特別教授を務めている。授業後に懇親会を開く機会もあり、「若い学生といろいろな話をすることが刺激になっている」。