インタビュー

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【 この人 】

適正収受の実現を最優先

2025年09月02日

岡山県トラック協会 原田 和充 会長

 6月、4期8年務めた遠藤俊夫前会長から重責を継いだ。「社会人としてトラック業界に携わって半世紀を超えた。会長就任は最後の奉公と胸に刻み、業界の発展に尽くす」
 岡ト協の役員経験は、岡山県貨物運送津山主管支店長の時、理事を2005年から1年間務めたのみ。昨年、オカケン社長から会長に就き、歴代トップも歩んだ岡ト協会長として県内約1260社を5人の副会長と共にけん引する。
 適正な運賃・料金の収受を一丁目一番地に掲げる。人件費をはじめあらゆるコストが上昇し、価格転嫁が不可欠。「この30年で業界の地位は少しずつ上がり続け、顧客と対等な立場で交渉できるようになった」。収益確保を後押しするため県内の各業界団体に、物流業界の理解促進を粘り強く働き掛ける。
 国内貨物の3割強が運べなくなる恐れがある2030年問題では、県内の輸送量が37%減少する試算もある。事業継続にドライバーの確保は待ったなしだ。そこで今年度から岡ト協主催で、会員20社程度が参画する合同企業説明会と大型トラックの体験乗車を最大2回開催する。運転を通じて業務を認識してもらい、採用につなげたい考えだ。
 発信力も強化する。デジタルサイネージ(電子看板)をイオンモール倉敷(倉敷市)のフードコートに新たに設けた。また、岡山県立大学の学生と共同で動画15作品を制作。送料の表記、物流業界の魅力を学生目線で伝える。
 趣味は家族らと楽しむゴルフ。さらに、中山道を半分歩いた健脚を持つ。業界の健全化に向け、鍛えた足腰で会員の経営基盤を踏み固めていく方針だ。