インタビュー

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【 中日本ブロック特集・キーマンに聞く 】

日本の中心から物流支え グランドデザイン策定へ 

2025年09月02日

愛知県トラック協会 青木 均 会長

 6月10日、寺岡洋一前会長(現・全日本トラック協会長)からバトンを受けた愛知県トラック協会の青木均会長。「協会の事業を点とすれば、線をつなぐのは会員の皆さん。会員自らではできないことを協会が事業として行うことで、会員が恩恵を受けられるようにしていきたい」と語る。中部トラック協会長の顔も持つキーマンとして話を聞いた。

 ――改めて抱負を。
 青木 「日本の中心から日本の物流を支える」というのが協会のスタンス。全ト協会長に就任した寺岡前会長(現・名誉会長)が重視してきた〝会員ファースト〟の理念を受け継ぎ、魂を込めて職務に当たりたい。
 ――事業許可更新制導入や適正原価を盛り込んだ適正化二法の公布など業界は変革の時。
 青木 まさに一大転換期。適正原価の設定は千載一遇のチャンスで、賃上げのためにも適正原価を上回る運賃を収受し、安全と物流品質で勝負していく時代になる。一方で更新制導入は、期待がある半面、戸惑いを感じる会員が多いのは確かだろう。
 ――会員各社の声を聞くことが重要に。
 青木 会員自らがエッセンシャルワーカーとして何ができるのかを問うことが大事。その上で出てきた自社で解決できない課題を協会が吸い上げていくことが重要だ。まずは9支部で意見や課題を吸い上げてもらい、いかに協会として支援していけるかに心を砕きたい。

時代合わせ事業内容見直し

 ――時代の変化に合わせた施策が必要に。
 青木 事業内容や運輸事業振興助成交付金の活用法の見直しを含む協会の在り方についてのグランドデザイン(全体構想)策定に着手した。急激な変革を求めず、2030年度をめどに軟着陸させる形を目指し、来年度上期にも方向性を示す。既存の助成制度を見直し、中小運送企業が課題とするDXやGX(グリーントランスフォーメーション)に振り分けることも検討したい。
 ――人材確保や安全対策も重点に。
 青木 特定技能のプロジェクトを立ち上げた。会員が受け入れた外国人材への支援策などを28年度をめどに整えたい。併せてSDGs(持続可能な開発目標)に対応するプロジェクトも発足した。また、安全は業界の一丁目一番地。運賃が上昇傾向にあるからこそ、安全の担保へ真剣に取り組まなければならない。
 ――全ト協副会長としては労働安全・災害防止委員会を担当。
 青木 愛知が先導的に進めてきた健康経営優良法人の認定取得を促し、業界に健康経営の輪を広げたい。人を大切にする経営を強みにすれば人材は必ず集まってくる。
 ――中部トラック協会長としての顔も。
 青木 中部5県の協会で課題共有と連携を強め、中部ブロックとして寺岡全ト協会長を支えていければと考えている。