インタビュー

【 この人 】
きめ細かく会員支援

2025年08月26日
福井県トラック協会 水島 正芳 会長
14代目会長として、8期16年務めた清水則明前会長からバトンを受け継いだ。「就任以降、周囲の反響が思った以上に大きく、責任の重大さをひしひしと感じている」と会員約470社を率いる覚悟を示す。
規制的措置の施行、事業許可更新制や適正原価などを盛り込んだトラック適正化二法の成立・公布と、業界は健全化に向けて新たなステージを迎えている。「(トラック協会として)業界、企業を守るとともに、それぞれが法律を守らなければならない」と強調する。
会員各社の理解を深めるため、きめ細かな対応を心掛ける。4月、福井市内で中部運輸局を招いて説明会を開き、各社と質疑応答を幅広く交わした。その後は7月25日の若狭支部を皮切りに、奥越、丹南、敦賀など支部単位でも開催。個社の現況を含め、膝を突き合わせて話を聞き、理解の促進と会員の経営基盤を安定化につなげていく。
調査会社によると、県内の2024年の業種別倒産リスクは、運輸業が111社と、飲食店、飲食料品小売業に次ぐ3番目だった。「実態に近い可能性があり、潜在的な経営危機が一気に表面化する恐れもある」と危機感を持つ。北陸新幹線の県内延伸から1年が経過し、県外からの観光客は増えたが、物流への経済波及効果は限定的。事業継続、コスト増には原資となる適正運賃・料金収受は欠かせず、荷主への理解促進と同時に、着実な交渉を後押しする方針を堅持していく。
趣味は乗馬。モテたいと中学生から始め、今も定期的に通う。馬の性格や気性に合わせた華麗な手綱さばきを協会運営でも見せていく。