インタビュー

【 この人 】
社会の役に立つ物流を

2025年03月18日
丸運
中村 正幸 社長
昨年6月、桑原豊前社長からバトンを引き継いだ。「社員と共に、社会の役に立つ物流を提供していく」と語る。人手不足の解決に向け、運賃の適正収受を進める。
前職のJX金属では営業一筋だったが、荷主という立場から常に物流に関わっていた。入社後、茨城県日立市の日立製錬所(現・日立事業所)に配属され、人手が足りない時にはトラックへの積み降ろしも経験した。
丸運の社長に就任後、業務内容を理解し現場の意見を聞くため、国内外の事業所の視察を続けている。同社は石油や高圧ガスといった危険物から食料品や雑貨まで扱う。各現場では貨物特性に応じてきめ細かい工夫を施し、高品質な輸送を提供していた。「社員全員が社会インフラとしての物流に携わっているという自負を持っていると感じた。そうした社員と力を合わせ、社会の役に立つ仕事をしていければ」。
一方、課題も見えてきた。ドライバーの労働規制強化に伴う2024年問題の影響により、同社でも人手不足が起きつつあること。「ドライバーをはじめ庫内作業員を集めることが最優先課題」。
人手確保に向けた労働条件改善や自動化設備導入にはコスト増が伴い、転嫁が必須となる。荷主の事業環境は厳しいが、適正運賃の収受に向け顧客に対し丁寧な説明を続けていく。「人手不足が解消することで、より高品質で安心・安全な輸送を提供できる」と運賃値上げの必要性を説明する。
趣味は自転車。春や秋には目的地を特に定めることなく、自宅から30~40キロメートルの範囲を自由に巡るポタリングが好き。