インタビュー

【 この人 】
持続可能な物流を構築

2025年02月12日
F―LINE
坂本 次郎 社長
昨年6月、本山浩前社長からバトンを引き継いだ。人手不足や環境負荷低減といった山積する課題に対応し、「持続可能な物流の構築に取り組む」。
前職の味の素には研究職として入社した。主に業務用製品の品質改良などを担当。海外に赴任し、市場開発も手掛けてきた。国内物流の仕事に直接関わるのは初めての経験だが、「現場を起点にして仕事をする点で大きな違いはない」。
就任直後から全国を回り、取引先や協力会社、自社拠点を訪問。荷物をしっかりと届けることができる輸送体制の素晴らしさを実感すると同時に、「トップとして体制を維持・発展させる使命を改めて認識した」。ドライバー不足や労働時間規制などの問題に直面する難しい事業環境下で、輸送ネットワークの強化を最優先の取り組みに据える。
昨年には、中四国エリアの輸送網の強化を進めた。10月には岡山物流センター(岡山市)をオープンさせ、12月には食品・飲料などの輸送を手掛ける芸北急送を完全子会社化した。ドライバー、庫内作業員の確保と効率的な輸送の実現が狙いで、「他の地域でも必要な施策を順次展開する考えだ」。
環境負荷低減につながる活動も重視する。モーダルシフトや共同輸送に加え、先進的なEVトラックやFC(燃料電池)トラックといった電動車の運用を推進する。
趣味は食の探求。学生時代は食品衛生の研究に没頭した。「味の素に入社したのも食べることが好きだったことが影響した」。最近は事務所近くの料理店を食べ歩くことが楽しみになっている。