インタビュー

【 この人 】
再生へ真摯に向き合う

2015年08月25日
ロジネットジャパン西日本 真田 俊秀 社長
1月にロジネットジャパンから異動し専務に。3カ月後の4月、社長に就任。「正直、驚きを隠せなかった」
ロジネットジャパン西日本の前身は、近畿に地盤を持つ青山本店。平成24年、札幌を本拠とするロジネットジャパンが、本州での収益拡大を目的に買収した。だが、「買収時の常である〝する側とされる側〟のあつれきはあった」
不採算事業の立て直しが進まず、赤字経営を余儀なくされた。再構築へのかじ取り。「難しいのは重々承知している。だが環境は変わり始めている」。外部から物流のプロを呼び、法令順守、収支管理の徹底など「公正に」社内の空気を変える。
信条は「相手の話をよく聞くこと」。16年10月、商工中金で新潟県長岡支店長だった時、新潟県中越地震が起きた。「わらをもつかむ気持ちで融資相談に来た人たちの話をじっくりと聞くことから始めた。真摯(しんし)に向き合えばいい仕事ができる。目指す道も見つかる」
まずは収益力の強化。ロジネットジャパングループの中核企業、札幌通運の経営資源を活用した社内管理、輸送、営業体制の再編を急ぐ。ロジネットジャパン西日本の強みである食品共同配送を生かしつつ、札通の大阪、滋賀、名古屋支店との連携で輸送効率、採算性を向上させ、ゆくゆくは中国地方、四国、九州へとネットワークを拡大する。「社内の一体感は高まり、利益体質への改善は確実に進んでいる。今年度中にうみを出し切り、来年度は反転攻勢する」
大の古代史好き。「われわれが習った古代史は全部嘘っぱち。文献は大学の先生より読んでいるのではないか」。健康法はウオーキング。好きな言葉は「意思あるところに道あり」。
(略歴)
真田 俊秀氏(さなだ・としひで) 昭和34年9月19日生まれ、55歳。北海道出身。58年北大法卒、商工中金入庫、平成22年同庫札幌支店長。24年同庫資産サポート部長を経て、26年ロジネットジャパン常務執行役員、27年1月ロジネットジャパン西日本専務、4月社長就任。(丸山 隆彦)