インタビュー

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【 この人 】

教育と情報発信に注力

2024年09月10日

航空貨物運送協会
杉山 千尋 会長

6月、岡本宏行前会長からバトンを受け取った。協会運営に関し、「業界の人材の教育や、情報発信に努めていく」と、これまで協会が行ってきた取り組みを着実に遂行していく姿勢だ。

2023年度の混載航空貨物輸出実績は前年度比18%減の約76万トン。統計データをシステムで管理し始めた1998年以降、過去最低の数値だった。コロナ禍のサプライチェーンの混乱を経て、荷主の調達の考え方も変化しており、国際紛争など地政学的なリスクも多くなっている。

フォワーダー業界にとって厳しい状況が続いているからこそ、「業界団体としてできることは限られているが、継続して支援し、業界を盛り上げていきたい」と先を見据える。

会長就任前は国際部会担当の副会長を務めた。会員各社の実績動向をまとめ、市場のトレンドも盛り込んだ情報発信に注力。今後は時代の動きに合わせ、成田空港の新構想に関する情報などの周知活動も展開していく。

業界の活性化に向けては、昨年から開始した新教育方式の「CBTA(能力要件に基づく教育訓練)」の提供者として、危険物取り扱い教育を推進し、業界に携わる人材の底上げを図る。航空輸送の安全性確保では、非会員の荷主への意識改革も続けていく。

無申告のリチウムイオン電池の持ち込みが見受けられるため、荷主への注意喚起を促す冊子の配布や、荷主向け教育プログラムへの参加呼び掛けも推進する。

健康のため、週末にはウオーキングで体を動かすことを心掛ける。自宅周辺など、多い時は1日で2時間半ほどかけ、約2万歩歩くことも。