インタビュー

【 この人 】
食品物流をより良く

2024年06月04日
キユーソー流通システム
富田 仁一 社長
「食品物流の川上と川下をつなぐ立場から業界を良くしたい」。三英食品販売に入社以降、業務用・家庭用食品や卵原料の販売、総菜工場の運営にも携わった。多彩な経験を物流に生かす。
喫緊の課題はトラックドライバーの働き方改革に伴う2024年問題。メーカー向けの共同物流事業担当として昨年1年間、輸送協力会「キユーソー創栄会」と各地で協議を重ね、例えばセンター出庫時に平時であればほぼ待機なく積み込み可能な環境を整えた。12月にはドライバーの待遇改善へ、創栄会各社への支払運賃を引き上げた。
また、毅然(きぜん)とした態度で適正料金化交渉に臨み、8割を超える同事業の顧客が要望通り応じてくれた。「今後輸送力不足が懸念される中でも、100%応えてくれた顧客の荷物を運び切ることは当社の使命」
39歳で弁当総菜工場の立ち上げを任された際、従業員の居場所をつくることの大切さを学んだ。一般に立ち上げ時のメンバーほど定着率は高く、後から来た人ほど居場所に困るという。工場では日々変化する受注量を人海戦術でこなすが、人手が足りないと出荷が間に合わない。「毎朝来てもらうため『ありがとう』の声掛けを徹底した」
社長就任後、全国の各現場の管理職との面談では「今日もよろしく」や「お疲れさま」の声掛けを欠かさないようにと伝える。「拠点を円滑に回すための入り口が風通しの良い職場づくり。何かあれば従業員が声を上げやすい雰囲気が重要」
週末には家族に手料理を振る舞う。「土日の食事は全て作る。あり合わせの食材をどう料理するか考え作るのが楽しい」