インタビュー

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【 この人 】

飛躍の土台固める

2024年05月21日

ランテック
舛元 健了 社長

食品定温物流をけん引し創業70周年を昨年迎えた老舗のバトンを1月、嘉永良樹前社長から引き継いだ。2014年、センコーグループに加わった直後からランテックに出向。「全くの畑違いで戸惑いの連続だった」と当時を振り返る。

創業から今日まで受け継ぐ「不易流行」の基本理念は不変だ。同社で不易に当たるものは、居心地の良さを源とし、長年磨き続けてきた現場力にあるとする。一方、時代に即したシステムの構築を流行とし、自動化や省人化を加速させる。特に主力の小口混載「フレッシュ便」では積み降ろし、仕分けなどを人手に頼る現状を5~6年をめどに脱却する考えだ。

グループの5カ年中期経営計画で、2年目の24年3月期の売上高は前期比6%増の642億円。最終年度の27年3月期には800億円を見据え、センター7拠点の整備とDC(在庫型倉庫)の新戦略で顧客の裾野を広げる。「センコーとの施設の共同利用など今後、グループとのシナジー(相乗)効果が表れてくる」とした上で「30年の売上高を1000億円の大台に」。

中計の拠点整備第1弾となった宮崎支店(宮崎県都城市)が4月に稼働。雨に見舞われたしゅん工式直前には緊急地震速報が鳴り響き、現場には一時、緊張が走った。荷物用エレベーターなどの緊急時の対応には問題はなく、「雨降って地固まる」。

輸送の安定化に向けモーダルシフト、中継の拡充と同時に、付帯サービスの適正化では業界を巻き込んだ運動が不可欠とみる。趣味のウオーキングのように一歩ずつ着実にミッション(使命)を達成し、飛躍の土台を固めていく。