インタビュー

【 この人 】
父からの学びを胸に

2022年11月22日
キリングループロジスティクス 安藤 弘之 社長
3月末の就任後、全国の支社や協力会社の拠点を回り、「物流は日常生活に欠かせない重要な役割を担っていると改めて実感した」。
物流とは以前からつながりがあった。父の故・小四郎さんは、中部トラック総合研修センター常務理事として、若手経営者を育成する愛知県トラック協会の「物流大学校」開校に尽力。教育課程作りなどに長年携わった父から、生活を支える物流の大切さと教育の重要性を学び、胸に刻んだ。
5年間勤務した前任地の中国では、一番搾りの販路拡大や自動倉庫導入に関わったほか、製品の在庫管理改善に取り組み、中国事業初の事業利益黒字化を達成。父の存在と自身の業務経験から、「物流と縁を感じている」。
社長として、さらなるデジタル化と若手の育成に力を注ぐ。配車ではシステムの活用を推進。ドライバーへの電話連絡といったアナログな業務を減らすべく、システムの機能向上に取り組んでいる。一部事業所で運用中の無人フォークリフトの稼働もより増やし、「業務効率化で生まれた時間を社員教育に充てたい」。
支社ごとに行っていた配車担当育成も見直す。本社に4月新設した輸配送戦略部を通じ全社統一のマニュアル作成を進めるなど、会社の中心となる40~50代のベテランから、若手にノウハウを伝えられる仕組みを整える。
私生活では週末、総監督として都内の少年野球チームを熱心に指導。「子どもの実力や目標、家庭事情に合わせて教えることが大事。(従業員目線で考えるという面で)仕事にも通じる。教え子には趣味や特技に出合うきっかけにしてほしい」