インタビュー

【 この人 】
安全は全てに優先

2022年11月15日
三豊運送 田中 正昭 社長
今年、設立80周年を迎え、父の田中正治前社長(現・会長)から伝統のバトンを継いだ。燃料高、新型コロナウイルスなど取り巻く環境が厳しい中での船出となり「今は底。反転攻勢あるのみ」と腹をくくった。
就任を機に、企業理念と経営理念を策定した。創業者の祖父から継承する「物流を通して社会に貢献する」モットーを明文化。「先見的な輸送の創造を通じて顧客満足に貢献するとともに、従業員とその家族のより良い生活を継続的に支援する」と定めた。経営理念には地域貢献、安全品質、輸送品質と3本柱を据え、事業にまい進する。
直面する課題は、労働時間の管理強化と人材の多様化と見る。例えば顧客には集荷時間の厳守で理解を得る努力を重ねる一方、「場合によっては撤退も辞さない」と覚悟を持つ。また、ドライバーはこれまでの男性中心を脱却し、女性が活躍する分野を広げる。現在、集荷のみだが、大型、貸し切り、毒劇物を扱うタンクローリー輸送への進出を期待する。各種資格の取得を後押しするとともに、培ったノウハウを伝承し基幹事業を発展させた上で、従業員へのさらなる還元を視野に入れる。
「社会的使命の安全は全てに優先する」考えは貫き通す。働き方適正化委員会を4年前に立ち上げ、安全の向上と労働環境の改善に着手。1年前から高速道路を使わなければならない区間を指定した。高速道は一般道と比べ事故リスクが少なくなる。前年度の事故件数を低く抑える成果を得た。
座右の銘は「日々精進」。設立100周年を1つの目標と見定め、トップとして飽くなき挑戦の道を歩み始めた。