インタビュー

【 この人 】
乗務員の〝相棒〟に

2022年09月13日
CBクラウド 松本 隆一 CEO
「ドライバーが大学生の仕事選びの選択肢の1つになる、そんな業界にできたら」
航空管制官勤務時代、先輩に誘われ通い出したスポーツジムで妻になる女性と出会った。自動車の販売・整備を営んでいた義父は、冷凍軽貨物車両を購入した個人事業主のドライバーたちの顔色が優れないのを見た。冷凍食品配送は単価は良いがスポット発注も多く、断れば次がない。「車を売って人を不幸にした」と自ら好条件の仕事をあっせんしようと利用運送を始めた。
2012年から休日に義父を手伝い、大変だった帳票処理からシステム化を進めた。プログラミングは高校時代に独学で習得した。本格的に一緒に物流をやろうと請われ、13年8月末で退省した直後、義父が亡くなった。電話は鳴りやまない。仕事を引き継ぎ、時には自らも配送をこなした。「ドライバーは見合った収入が得られていないとも感じた」
やがて軽貨物市場全体の課題を解決したいと決断し、16年に「ピッグゴー」の前身となるマッチングプラットフォーム(基盤)を立ち上げた。今、軽貨物の個人事業主4万人以上が登録するまでに成長した。
「個人事業主になるドライバーが『まずはピックゴーに登録しよう』と思う相棒のようなサービスでありたい」。やりがいと収入を高める独自スコアをはじめ、資金繰り支援のための即時入金の仕組みを構築。車両の故障に備えたり、保険料負担を軽くしたりするサービスも計画している。
「物流は歴史があり幅広い業界。同じ志を持つ企業と組みながら、業界全体の価値を向上していきたい」