インタビュー

【 社長インタビュー 】
営業エリア地方に拡大 目標は売上高100億円

2022年08月09日
アップル 文字 放想 社長
アップル引越センターを運営するアップル(本社・東京)は2025年までに売上高100億円、34年までに500億円にすることを目標としている。20年には首都圏中心から転換し、名古屋市、福岡市、札幌市に進出するなど、積極的に拠点の拡大に動いている。文字放想社長は「日本一の引っ越し屋になる」と意気込む。
―コロナ禍でも売り上げを伸ばした。
文字 売上高は毎年順調に伸びている。19年7月期は17億2500万円、20年7月期は21億4000万円、21年7月期は29億7300万円、22年7月期は35億円の見込み。
―非対面で完結するオンライン予約システムが集客に役立った。
文字 当社の引っ越し予約システム「ラクニコス」は料金カレンダーで安い日を選ぶこともできる。完全非対面でコロナ禍でも安心して利用してもらえた。
地方都市展開で客層に変化
―20年に首都圏中心から地方に進出した。
文字 首都圏では、荷物預かり時に使う倉庫などを借りるのが難しくなった。広さや賃料の問題で良い物件が見つからず、首都圏にこだわっていたら、拠点拡大の計画に支障が出ていた。
―地方での受注は順調に推移している。
文字 引っ越しはBtoCのビジネス。他地域から参入しても受け入れられないことはない。サービスに品質と料金が伴えば、最初から、ある程度の件数は取れる。
―首都圏と地方では客層が違う。
文字 首都圏では、賃貸物件の更新料が発生する際に引っ越す単身者が主な客層。一方、地方では単身者はあまり動かない。代わりに、転勤などで引っ越す家族が多く、新たな客層となっている。
―地方では、PRなど集客の方法も異なる。
文字 ウェブでのPRがメインの首都圏と比べ、地方では駅の看板やテレビCMが有効で、幅広い年齢層にPRできる。
―地方展開で長距離引っ越しが増えた。
文字 今期中には仙台市に進出。長距離の件数は順調に増えている。
ITの活用で積載率高める
―近距離と比べ、長距離は効率化が難しい。
文字 まだ今は試行錯誤中だが、ITを駆使すれば積載率を高められると考えている。
―従業員の確保も必要。
文字 近年は新卒採用に力を入れている。今年は、営業などの総合職コース、引っ越しスタッフを経験する支店コースなど合わせて25人ほど採用した。来年は倍の人数を取りたいと考えている。
―中途社員の採用も進めている。
文字 引っ越しスタッフの中途採用は、最初から正社員ではなく、アルバイトを社員登用している。また、社員の紹介でも採用している。
―若手社員を獲得している。
文字 同業他社ではなく、他業種のベンチャー企業と比較した待遇を考えている。だが、給与だけでなく、引っ越しの仕事にやりがいを感じる人に来てほしい。
―教育に注力している。
文字 将来的には、必要なスキルを身に付けるとレベルが上がり、報酬を得られるゲームのようにしていきたい。社員には仕事を楽しんでほしい。
―企業理念につながっている。
文字 「引っ越しを通じて、ひとつでも多くの笑顔を生み出し笑顔あふれる世の中をつくること」が企業理念。会社は世のため、人のためにあるもの。顧客だけでなく、従業員も含め笑顔があふれる会社にしたい。