インタビュー

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【 この人 】

〝現場一筋〟を糧に

2022年06月28日

センコー 杉本 健司 社長

 「顧客からセンコーへの期待を身に染みて感じている」。4月、福田泰久前社長からバトンを引き継ぎ、社外でさまざまな人と顔を合わせる中で再確認した。
 1989年の入社からほぼ一貫して物流の最前線に立ってきた。神奈川支店長、センコーエーラインアマノ社長と培った経験を基に「企業の成長には強いリーダーシップとチームワークで臨む」と覚悟を決めた。
 今期から始まった5カ年中期経営計画ではグループ売上高1兆円が掲げられ、中核を担うセンコーはけん引役を果たさなければならない。センターの増設、長距離輸送サービス「物流バス」の充実、ダブル連結トラック、軽貨物など保有車両の増強、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など休む間もなく手を打つ。
 一方で、「個社で描く未来には限界がある」とも。輸送力では、自社便と協力会社は両輪の関係と重要視する。「資本関係を伴わないネットワークの構築も視野に入れている」
 生産性の低さといった業界の課題には強い危機感を抱く。2024年4月からドライバーの残業上限規制に伴う、いわゆる「2024年問題」を筆頭に取り巻く環境の変化はこれまで以上に加速している。「少なくとも共同配送は避けて通れず、同業他社との連携は欠かせない」と各トップと一歩も二歩も踏み込んだ議論を通じ、次世代に継承できるグランドデザイン(全体構想)を築きたいと願う。
 日課はウオーキング。1日平均1万歩を積み上げた月30万歩が最低限のノルマ。「天候や会食に左右され、不足分をにらむ月末が怖い」と笑う。