インタビュー

【 この人 】
2つの視点で経営

2022年06月21日
九州産交運輸 堀 好顕 社長
4月、社長に就任した。鴻池運輸で積み重ねてきた経験を生かし、トップとして采配を振るう。「大きな緊張感と責任感の重さをひしひしと感じている」
現場での仕事が長かった。新卒で鴻池運輸に入社し、物流業界に足を踏み入れた。最初の12年は鉄鋼分野の仕事に従事。その後の異動で、乳製品関連の業務を8年間ほど担当した。「1トン幾らの世界から1グラム幾らの世界に変わり、転職したような感覚だった」
次に立ったのが、約4年勤めた医薬品関連の現場。その後、物流センターの立ち上げ作業に関わり、2つの支店で支店長を務めた後、2019年から現場を離れ、生活関連本部副本部長として管理する立場になった。
これまでの知見を生かし「現場」と「管理」の2つの視点を生かした企業経営が必要だと考えている。市場に目を向けると新型コロナウイルスの感染拡大で、産業ごとに業績の明暗が分かれている。自社の取扱量も貨物によって増加したものもあれば、減少したものもある。全体としては横ばいの状況で「利益を十分に確保できていない部分をどう改善するかが課題」。輸送の効率化や拠点網の最適化を進めながら「従来、実践してこなかった新しい運び方にも挑戦する」。
趣味はスポーツ。学生時代はラグビーに打ち込み、現在はスノーボードを楽しむ。「続けるために日々、スポーツジムで体を鍛えている」。モットーは「一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いいかげんだと言い訳が出る」という武田信玄の言葉。「どんなことでも真剣に取り組むことが大切だ」