インタビュー

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【 この人 】

現場が一番大事

2015年05月19日

キユーソー流通システム 西尾 秀明 社長

 「1人1人がイキイキと働く業界をつくりたい」。業界の地位向上のため、企業単位でなく食品物流業界への貢献を念頭に発想する。ドライバーの労働環境改善とコンプライアンス(法令順守)強化に向けて昨年7月、業界に先駆け長距離運行便のダイヤ改正に踏み切ったのは1例。
 昨年度、まず回ったのは全国70カ所の自社拠点と、運送協力会「キユーソー創栄会」の会員企業。目指す企業像を社員に語る。「1人1人が誇りを持つことが大事。明るく働きがいのある会社をつくる」。
 またキユーソー創栄会を「一番強力な仲間」と語る。昨年秋、創栄会を交えたドライバーコンテスト全国大会を初開催。今年は荷役部門のキユーソーエルプラン主催のフォークリフト競技の合同開催も計画。品質意識と連携を強め、さまざまな難局を乗り越えていく考え。
 今期の経営目標は、7期連続増益となる営業利益30億円。高度な物流品質の維持には適正利潤が不可欠。「規模を追うだけでは膨張になる。質が伴ってこそ、得意先にパートナーとして選ばれる」。
 行動の原点には「お世話になった恩師の前に立つ時、胸を張れる自分でありたい」との思い。キユーピー時代、取引先や後輩ら周囲の支えで頑張れた。人の長所を発見する喜びを見つけた。「ペイ・フォワード」が座右の銘。受けた恩を次の人へ。1人の行動が次々つながり世界を変える。受付の電話応対から営業マンの立ち居振る舞いまで、各人の一挙手一投足が品質をつくる。「キユーソーの現場に素晴らしい人材が大勢いる」。「あなたが荷物を大切に扱うことがこんな風に役立っている」と気付きを促し、品質に一層磨きをかける。

(略歴)
 昭和32年2月5日生まれ、58歳。長崎県出身。九州産業大商卒。54年三英食品販売入社、平成2年キユーピー入社、20年フードサービス本部長、22年取締役、24年広域営業本部長、26年キユーソー流通システム取締役兼執行役員社長補佐兼関連事業担当、27年2月社長就任。