インタビュー

【 この人 】
強みをさらに磨く

2019年10月01日
佐川急便 本村 正秀社長
前任の荒木秀夫SGホールディングス社長の推薦を受け就任。「さらなる品質向上と新サービスの開発で、社会から必要とされる会社へ発展させることが使命。従業員一人一人がやりがいを感じ、生き生きと働き続けられる会社を目指す」
1980年に入社後、都内の城西店(現城西営業所)に配属。最初の担当は新宿区の集配。セールスドライバーとして汗を流した。後に役員も務めたが、一度佐川を退社。出版流通会社の役員、タクシー・バス会社の経営者などを経験した。
「外部に身を置いたことで改めて認識できた、従業員の団結力をはじめとした強みをさらに磨く」。集配だけでなく、顧客ニーズを直接聞き出す役割を持つセールスドライバーも強みだとし、「彼・彼女たちがより営業に時間を割ける体制の構築に力を注ぎたい」。
営業面で強化しているのは、小口貸し切りや共同配送、ミルクラン(巡回集荷)、重量・特殊物といった輸送ノウハウで顧客の課題解決を図る「TMS(Transportation Management System)」。就任後の訓示でも「TMSを宅配便に次ぐ事業の柱に」と訴えた。
また、「協力会社を含めた働き方改革の推進を支える適正運賃収受を今後も継続」。新技術を活用した業務効率化、女性をはじめ多様な人材が活躍できる環境づくりも大きなテーマだ。
好きな言葉は「至誠通天」。「真面目に取り組めば理解してくれる人は必ずいる」。故・後藤田正晴元官房長官が残した、「悪い、本当の事実を報告せよ」「勇気をもって意見具申せよ」など5つの教訓「後藤田5訓」を心に刻む。