インタビュー

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【 この人 】

足跡に恥じないよう

2019年09月10日

日本トランスシティ 安藤 仁 社長

 6月、社長に就任。2011年から陣頭指揮を執ってきた小川謙社長(現会長)の後継に指名された。「思いもよらなかった。明治時代に創業した歴史ある会社で、先輩たちの足跡に恥じないよう、精いっぱい努めていきたい」
 1981年の入社以来、全国11カ所の事業所で働いた。一事業所の勤務期間は平均で3年半。仕事に慣れてきた頃、違う部署へ異動した。「新しい仕事への挑戦は慣れによる慢心を防ぎ、人を成長させる」
 印象に残っている出来事に、東日本大震災を挙げる。宮城・仙台港や茨城・鹿島港で数百個のコンテナが海上に漂流するなど被災した。営業、事務、作業員、ドライバーらが一致団結してコンテナの回収、選別、修理を行い、コンテナの輸送サービスも継続させた。「従業員は本当に頑張ってくれた。パートナー会社との絆なくして実現もなかった。顧客からも評価され、一生の財産になった」
 業績は堅調だ。2018年度の倉庫取扱量は3年前に比べ3割近く伸び、海上コンテナ取扱量も2割アップ。半面、期首に公表した今年度の連結売上高予想は1040億円で、今年度が最終年度となる3カ年中期経営計画の目標1100億円に届かない。為替による影響があったとし、「目の前の課題に向け愚直に取り組んでいく」。
 物流業では人が財産と位置付ける。特にドライバー不足対策が急務。最新技術を活用した省力化装置の導入に向け、実証実験も行ってきた。今後も積極的に投資する考え。
 自らを「真面目」と評する。趣味は50歳から再開したゴルフ。25年前から水泳とジョギングを続け、ジムには週2回ほど通う。