インタビュー

【 インタビュー 】
1月、販売組織を新設 拠点拡充し顧客層を拡大

2017年11月28日
ボルボ・トラック クラエス・ニルソン 最高責任者
ボルボ・グループは来年1月、日本にボルボ・トラックの販売組織を設立する。「従来の部門ごとの組織を改め、各ブランドごとに専任チームを確立。ユーザーをより手厚くサポートできるようにする」とボルボ・トラックのクラエス・ニルソン最高責任者。UDトラックスのサービス拠点網も活用しながら、長距離運行を主体とするユーザーへの対応力も強化していく方針だ。
――世界規模で組織を再編している。
ニルソン これまでボルボ・グループは部門ごとの組織で、例えば市場の販売部門がグループの全ブランドの販売を担っていた。今後、ブランドごとに専任チームを確立していく。日本では来年1月に販売組織「ボルボ・トラックセールス」を新設する。
――日本では2010年からUDがボルボの車両を販売してきた。
ニルソン ボルボ・グループとしてはUDが日本市場で最大のブランドだが、UDとボルボ両方をサポートした場合、ボルボユーザーに対しケアやサポートが行き届かない心配はあった。専任組織を持つことで、ユーザーの声をより多くより深く吸い上げ、スウェーデンのチームに届けることができる。
――先日の東京モーターショーでは新型トラクターも公開した。
ニルソン 来夏に新型「FH」を投入する。エンジン排気量13リットルで、540馬力と460馬力を用意する。AMT(機械式自動変速機)「I-シフト」や自動ブレーキを搭載。横風やわだちによるハンドルのぶれを抑制する操舵(そうだ)補助装置の搭載も検討している。安全、環境、生産性、快適性などの面で市場をリードする存在になる。
――来年は組織、商品の両面で環境が整う。
ニルソン 日本市場で再スタートを切る。その好機と捉え、今回訪日した。明確なビジョンの下で日本のチームを支え、より大きな目標を達成していく。ユーザーの要求の高さが当社の成長を促してくれる。コネクティビティー(連結性)、自律走行、EV(電気自動車)化など技術の先進性の点でも、日本にいるメリットは大きい。
長距離ユーザー対応も強化
――顧客層を広げる。
ニルソン これまではサービス拠点網の制約のために、複数拠点間を長距離運行するようなユーザーに対して訴求力の点で課題があった。目下、UDのサービス網を活用した整備体制の構築を急ピッチで進めている。UDのサービス網が機能し始めると、顧客満足度は格段に改善するはず。拠点数は、ボルボ正規ディーラーが46拠点、さらにUDの直系・独立系ディーラーが103拠点を加え、合計149拠点。ユーザーに近い場所で整備を提供し、稼働率向上に貢献していく。
――販売目標は。
ニルソン 日本では毎年300~400台を販売し保有台数は約2500台。近い将来、3000台程度に伸ばしたい。