インタビュー

【 この人 】
「相互扶助」の輪広げる

2017年10月03日
日本貨物運送協同組合連合会 吉野 雅山 会長
6月、組織の存在感向上へ精力的に取り組んできた古屋芳彦前会長の後を受けて就任した。「近き者説(よろこ)び、遠き者来たる」「情けは人のためならず」の故事を座右に置き、組織のさらなる活性化と組合員の役に立つ事業運営に力を注ぐ。
全国のトラック運送事業協同組合の中央組織として、設立53年を迎えた日貨協連。「原点は互いに助け合う相互扶助の精神にある」。トラック運送業界は労働力不足、安全・環境対策のコスト増など多くの課題を抱える。中小企業は変化に対応できなければ生き残れない時代。「組合に加入するメリットは大きい。企業経営をあらゆる方位から支援する」。ETC(自動料金収受システム)利用による高速道路料金割引のほか、スケールメリットを生かした共同購入で燃料・資材を安く調達でき、保険制度を使えば会社の福利厚生充実を図れる。
特に、求荷求車ネットワークシステム「WebKIT」は相互扶助の象徴。中小運送企業の生産性向上に貢献する仕組みとして、国土交通省も注目。「中継輸送や新たな事業拡大を図るチャンスとなる」。現在、全国の協同組合加入企業は1万3000社超。未介入企業5万社へのKIT利用促進を図り、「まずは2万社体制へ」。
全日本トラック協会と一体で、高速料の大口・多頻度割引恒久化を国に強くアピール。車限令違反の罰則強化に対しても、「法令順守徹底を図りつつ、実態に即した要望を投げ掛けていく」。
趣味は国内外問わず旅すること。年1回、パリのアパルトマンを借りて奥さんと欧州旅行。自宅では約200本ある庭のバラを手入れすることが息抜きに。