インタビュー

メインビジュアル

【 この人 】

会員のための協会へ

2016年09月20日

東京都トラック協会 千原 武美 会長

 「当たり前のことを当たり前にやりたい」。東ト協初となる会長選挙を経て、7月に就任した。「協会運営から経営へ」「将来計画の策定」「業界の地位向上」「ドライバーの教育研修施設の開設」など10の施策を、「各担当副会長が積極的に推し進めている」。
 従来の「協会運営」から〝いつまでに何をやる〝という目標を持った「協会経営」へと変革するため、執行部体制を大きく入れ替えた。「それぞれが責任を持ち実行に当たる。正副会長会は戦略を話し合う場へと変わった」。新たな体制が目指すのは、会員による会員のための組織づくりだ。
 研修施設開設、会員増強、組織の再構築といった問題に対しては、副会長をトップとする特設チームを立ち上げた。研修施設については災害時にも役立つものを「広域的な視点で考えたい」と、他県との相乗効果も含めて検討する。
 会員増強には、非会員が会員になることのメリット、非会員でいることのデメリットを明確に分かるようなパンフレットも作る。東京都の外郭団体「東京しごと財団」の公募事業に採用され2年間で1億円の予算で、集団面接、トラック乗車体験など、事業者が若年者や女性ドライバーを確保するための取り組みを支援する枠組みを設ける。
 職員の育成も目指す。部長級職員に人事異動を取り入れ、職員同士の仕事共有を促進する。「会員のための組織づくりには人材育成が欠かせない」とし、能力のある人が活躍できる風土の醸成を図る。「苦労しなければ楽しいことはない」
 私生活では大の愛犬家。柴犬「あずきちゃん」の出迎えに顔がほころぶ。

(略歴)
 ちはら・たけみ=昭和22年4月17日生まれ、69歳。西多摩運送会長兼社長。東京都トラック協会評議員、理事を経て平成24年5月に副会長に就任。適正化事業指導委員長・近代化基金運営委員長を歴任。28年7月8日、東京都トラック協会長就任。(佐藤 周)