インタビュー

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【 この人 】

チャンスつかんで 

2016年09月13日

富士物流 渡部 能徳 社長

顧客へのあいさつ回りがひと段落し、各地の営業所を巡回中。もともと6年前の三菱倉庫グループ入りの際、担当として現場を回った経緯がある。
専門技術を持つ「ITドライバー」による24時間365日対応の機器保守サービスや、パソコン、ATM(現金自動預け払い機)など大小さまざまな機器の搬入・設置サービスは「従来経験してきたのとは違う独特なもの」というのが当時の率直な感想。「それがいまどう変わったのか見るのが楽しみ」
そうした配送・設置・保守・回収を製品のライフサイクルマネジメントの視点で請け負う一貫サービスと定め、4月からの3カ年中期経営計画では、同サービスの拡大・プラットフォーム化(共同物流)と3PLの配送センター事業に注力する。「計画を着実に達成していきたい」
三菱倉庫とは、得意先メーカーのタイへの生産機能移管への対応も含め協業体制を敷く。三菱倉庫の現地既存施設に富士物流のスタッフが入り運営するといった取り組みが生まれている。「協業の成否の鍵はコミュニケーション。互いにまったく違う物流を扱ってきた中で、意思疎通を図り理解し合うことが大切」
若手社員には「つかんだチャンスを生かし、次の行動へのモチベーションになる経験を積んでほしい」。自身も三菱倉庫時代、医薬品向けサービスでの成功が大きな自信になった。各部署・営業所に小まめに足を運び、皆の話に耳を傾け、各人の知恵や力を引き出していく考え。全従業員から上げられてくる改善提案は年間2000~3000件に及ぶ。さらに根付かせ会社の強みを磨く。
朝、自宅そばの公園などを1時間ほどかけて歩くのが日課。

(略歴)
わたべ・よりのり=昭和28年8月8日生まれ、63歳。東京都出身。昭和51年慶大経卒、三菱倉庫入社、平成18年東京支店長、21年倉庫事業部長、22年取締役、24年常務、28年6月30日富士物流社長就任。(矢田 健一郎)