インタビュー

【 この人 】
経済同友会で提言

2016年06月07日
平和みらい 浅原 諒蔵 社長
4月、静岡経済同友会静岡協議会の代表幹事に就任。静岡市を中心にした県下中部地域の企業経営者会員を取りまとめ、国や自治体への自発的提言役を担う。
「52年間の歴史の重みを受け止めながら、全員で経済同友会の使命を果たしていきたい」
平和みらいは昭和25年創立、県下を中心に総合物流事業を展開。名実ともに信頼を獲得してきた。市民としての静岡への愛着も強く、地元の衰退傾向に胸を痛める。
「温暖な気候で人柄も良い。多くの企業が進出し雇用を支えた。昭和から平成にかけて静岡は恵まれた環境にいたが、時代は急速に変わった」
本社を置く静岡市の人口はピークの平成21年から減り続け、70万人を割ろうとしている。海外移転も進み産業全般の事業所数は頭打ち。10年前とほぼ変わらず3万9000事業所にとどまる。「地元がより良い方向へ進んでいくため、企業経営者がやるべきことはあるはず。知恵を絞る」。サロン化を嫌い、実行力を伴った活動を標ぼうする。
3年前、静岡市で同友会の全国セミナーが開かれた。参加したのを契機に各地の同友会活動の詳細を調べた。独自の企画を練り実践する姿に感銘。「静岡も負けてはいられない」
岡山同友会から聞いた言葉が印象に残る。地元のおとぎ話・桃太郎を引き合いに、「主人公を支えるイヌ、サル、キジは勇気、知恵、情報収集の重要さの象徴」と役員が解説。「現代の経営に通じるもの」と頭に刻んだ。
会社経営では不採算荷主との取引中止など、構造改革を推進し成果を着実に生んだ。キーワードは「改善は不断の努力」だ。代表幹事の任期は2年。提言団体の新リーダーに期待したい。
(略歴)
あさはら・りょうぞう=昭和26年10月14日生まれ、64歳。静岡県出身。50年東京経済大経営卒、渋沢倉庫入社、平成3年退職、平和倉庫(現・平和みらい)常務、6年社長。28年4月静岡経済同友会静岡協議会代表幹事就任。(谷 篤)