インタビュー

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【 社長インタビュー 】

機能会社の役割果たし 潜在的需要、獲得も進め

2026年07月07日

三菱ケミカル物流 楠本 匡 社長

 三菱ケミカル物流(本社・東京)は、楠本匡社長をトップとする新体制を始動した。荷量が伸び悩む中、三菱ケミカルの機能会社としての役割を果たしつつ、外部の潜在的な需要を取り込む。安全・安定・効率的で顧客ニーズにあった価値のある〝KAITEKI物流〟の展開を通じ、「化学品・危険品物流のリーディングカンパニーを目指したい」とする。

 ――就任の抱負を。
 楠本 三つの視点を大切にしたい。まずは社内に目を向け、従業員が安心して未来を描けるような明るく、はつらつとした会社にしたい。二つ目は機能会社として三菱ケミカルグループを支えつつ、当社も成長戦略を描いていく。最後は物量が減少傾向にある中、中核の化学品・危険品という特殊な領域をしっかり支え、社会に貢献する。
 ――三菱ケミカルグループ内でどんな役割を求められているか。
 楠本 三菱ケミカルでは矢継ぎ早にさまざまな体質転換を図り、強じん化するための施策を進めている。当社は機能会社として、安全・安定・効率的な物流を展開し、確実にモノを届けることが使命になる。一方、物量が伸び悩んでいることは従業員、パートナー会社にとっての懸念事項で、この認識を持ち、会社のかじ取りをしていく。

安心して働ける環境を整備

 ――厳しい事業環境にどう対応する。
 楠本 物量は伸び悩んでいるが、劇的に減少しているわけではない。何らかの形でモノは運ばれており、潜在的な物流需要はある。三菱ケミカル以外の物流をどう取り込んでいくかも検討したい。
 ――顧客ニーズの対応や効率化も欠かせない。
 楠本 化学品・危険品を扱う(施設などの)スペックや用途が厳しくなると、相対的に単位は小さいながらも、きめ細かい物流が求められる。これに対応することで、三菱ケミカルにも、他の化学産業にも貢献できるだろう。また、物量に見合った形で業務を効率化することが不可欠。特にDXは待ったなしで、取り組みを加速させる。
 ――物流の持続可能性をどう実現するか。
 楠本 二つの視点を持っている。まずは幅広い人材に活躍してもらうことが必要。さまざまな人が長く安心して働くことのできる環境に変えなければならず、荷役現場の改善を進める。パレタイズなども一足飛びに話が進むわけではないが、業界全体で機運は高まっている。取引先と協力し取り組みを推進する。

DX投資と人材教育に注力

 ――もう一つは。
 楠本 人手が減少する中でも輸送力を維持するため、効率化を推進したい。鍵を握るのがデータ化で、例えば、求荷求車システムを活用したマッチングで積載率を高めたい。倉庫の自動化は化学品・危険品という貨物特性などからハードルはあるが、物流業界には前例も出ており、当社も活用を進めたい。
 ――DX関連の投資を推進していく。
 楠本 年度内にも、これまで投資してきた取り組みを順次現場展開していく。倉庫実務管理システムは当社の代表的な倉庫から稼働し、さらなる水平展開を検討する。ローリー配車システムも刷新する。またDX投資に加え、従業員がさまざまなシステムを受け入れる風土の醸成も重要で、リテラシー向上を含めた人材教育に注力する。
 ――今後の展望を。
 楠本 まずは三菱ケミカルの業務でしっかり役割を果たし、当社の成長につなげたい。加えて、化学品・危険品の物流需要はさまざまな形で顕在化している。化学産業界で統合する動きもあり、蓄積したノウハウやアセットを存分に生かしつつ、新たな需要を取り込み、ケミカル品物流の領域でリーディングカンパニーになることを目指す。

記者席 仕事の成功の秘けつ

 「次工程はお客様、前工程もお客様」が座右の銘。三菱化成工業(現・三菱ケミカル)に入社後、約20年間の工場勤務に加え、動きの激しいエレクトロニクス産業などを中心に従事してきた。
 多くの経験を重ねる中、成功のために行き着いた答えが前後工程の取引先を思う気持ち。製品の受取先となる次工程の顧客だけでなく、原料メーカー、開発パートナーなど前工程の取引先も重要な仲間と考えることが「仕事を成功させるための秘けつ」と振り返る。
 物流も取引先が多く、前職で培った考え方は変わらない。「顧客に責任を果たす意味で、全従業員が次工程・前工程の取引先とパートナー意識を持つことが重要」。仲間の輪を広げながらさまざまな課題を克服し、持続可能な物流を構築する。