インタビュー
【 この人 】
物流通じて幸せに
2026年04月07日
床枝衣料工業 床枝 啓太郎 社長
18歳まで父親が経営するプレス工場2階の住居で暮らした。大学卒業後は鉄鋼商社に勤務。20代も終盤を迎えた頃、久しぶりに夕食を共にした父親から「会社を継がないか」と切り出された。大学卒業まで面倒を見てくれた両親に「恩返しをしたい」と決心した。
当時の会社は、冬物を中心にアパレル製品にアイロンがけをするプレス加工がメイン事業。だが得意先だった量販店向け業務は既に伸び悩んでいた。そこで物流事業を成長の柱にすべく、109系やルミネ系の若年層ブランドへの営業を強化し出したが、方針を巡り会長だった父親と幾度も衝突した。
06年に物流センターを立ち上げ、全国主要都市の店舗向けにコートから帽子までありとあらゆるアパレル製品を扱った。スタッフも新規採用し、ほぼゼロからのスタートだったが、当初は不慣れで連日ミスが発生。古参の社員からは撤退すべきとの声も出たが、センター長らと共に踏ん張った。
品質が安定し事業が軌道に乗ると、会長も経営を任せてくれるようになった。業務をEC物流にも拡大。同業大手にコンペで競り勝った時には「自らの選択が間違っていなかった」と確信した。アパレル業務で培ったノウハウを生かし、現在は食品、化粧品、メディカルまで幅広く手掛ける。昨年、千葉県茂原市に危険品倉庫も開設した。
多くの時間を過ごす職場で幸せを実感できることが大切と考え、企業型確定拠出年金や子ども手当、退職金制度など福利厚生を充実させてきた。「物流を通じて縁ある人を幸せにする」を使命に掲げ、顧客、社会、従業員に寄り添う経営を追求する。
