インタビュー

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協会運営は100人の1歩で 

2015年10月06日

宮崎県トラック協会 牧田 信良 会長 

 6月の総会で草水正義前会長からバトンを引き継いだ。宮崎県は全国有数の農産地で日本の食を支える。「大消費地まで遠距離のハンディがある。法令順守のためモーダルシフトの推進、安全対策の強化で克服したい」
 昭和56年に都城市で創業。食品物流を手掛け、鮮度を保つ速達化と法令順守の相反する難題に取り組んだ。結果、フェリーなどモーダルシフトの積極的な推進、中継輸送、荷主と集荷時間の調整などで顧客ニーズに応えた。
 南九州の事業者の最大の課題は改善基準告示の順守だ。就任に当たり会員には「1人の100歩より、100人の1歩で運営したい」と一致団結を訴えた。
 「県内のインフラやドライバーの労働環境を考慮すれば、フェリーは必要不可欠」と言い切る。宮崎港発着の宮崎カーフェリー。他に大分港や志布志港(鹿児島県)を発着するフェリーさんふらわあ、マルエーフェリーを利用する。長距離フェリー利用促進協議会などを通じて県、荷主、経済団体と共通認識の下、物流の維持を図りながら県農産品の供給拡大を目指す。
 農産品は季節波動が大きく事業者も負担を背負う。「農産県の宿命だが、輸送や事業の効率化、新規事業の開拓で乗り越えなければならない」。共通の課題を抱える鹿児島トラック協会の黒木一正会長と協調し、フェリー運賃の補てんなどを国や全日本トラック協会に要請したい考え。
 「海外を経験しなければならない」。約20年前、草水前会長を先頭に米国を訪問。物流施設の見学で衝撃を受ける一方、悩んでいた経営の方向性に確信を得た。海外研修は「2年に1度の頻度で」と勧める。

(略歴)
 牧田 信良氏(まきた・のぶよし)昭和35年12月11日生まれ、54歳。宮崎県出身。56年日本工学院専門学校卒、60年マキタ運輸設立。平成25年宮崎ト協理事、27年6月会長就任。(遠藤 仁志)