インタビュー

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【 この人 】

伝統軸に変革も進め

2025年07月01日

セイノースーパーエクスプレス 平井 克昌 社長

 3月上旬に内示を受け、「驚いたというのが正直なところ」。これまでの現場主導の改革や、物流の枠を超えた挑戦が評価されたと受け止め「既存の考え方にとらわれず改革してほしいというグループからのメッセージと感じている」。
 昨年、創立80周年を迎えたセイノースーパーエクスプレス(SSX)について、「歴史に敬意を払い、守るべきものは守っていきたい」。EXPRESS便を基幹としながら、特殊輸送や引っ越し、通運、国際、ロジスティクスなどの多彩な機能を強みに、「顧客に〝できること〟を、幅広く訴求する」。
 同じセイノーグループの西濃運輸の特積みネットワークとは別に、スピードと確実さを重視した独自の輸送ネットワークを全国に展開し、800キロメートル圏内の翌日配送を実現。半導体や精密機器を扱う企業など、時間厳守と高品質を求める顧客から高い評価を得ている。また、「顧客の多様な要望に応えるオーダーメード型の物流構築力もSSXの大きな強み」。
 福井駅前に設置された恐竜オブジェの輸送・設置もSSXが担った事例の一つ。「関心を持ってもらうきっかけになれば」と、広報活動にも積極的に取り組んでいる。
 従業員時代から経営感覚を意識してきた。上司から贈られた「自らが常に最高決裁者との認識を持つこと、良い時ほどなぜ良いのか考える、偉くなるほど自律する」との言葉を、今も大切にしている。
 趣味は読書で、漫画から村上春樹、東野圭吾まで幅広く愛読。「英語の学び直しにも挑戦したい」。学び続ける経営者としての信念がにじむ。