寄り添う気持ち第一

笹生誠取締役会長から社長を引き継ぎ、7カ月が経過した。「従業員への感謝を忘れず、多くの人に当社で勤務して良かったと思ってもらえる企業にしたい」
公務員を経て、ドライバー一筋の父と同じ物流の世界に飛び込んだ。横浜低温流通では、埼玉県内の営業所の立ち上げに関わり、営業、事務管理を経験。その後、湘南物流の管理本部で総務や経理などを手掛けてきた。経営が苦しかった時期には事業の見直し、人員削減もあり、つらさも味わった。
これまで従業員の気持ちに寄り添うことを第一に考えてきた。社長に就任した後もその考えを変えず、労働環境改善に取り組む方針だ。他の企業と同じく、同社も従業員の職場環境の整備で課題を抱える。
「親会社の湘南倉庫運送とも相談し、見直しが必要な部分から少しずつ取り組みたい。従業員が仕事を長く頑張りたいと思え、従業員と家族が当社で勤務して良かったと感じられる企業を目指す」
また、同社は小売り向けの配送・保管を主力としている。上流から下流まで持続的な食品物流を構築するため、メーカー・卸向け物流を手掛ける企業との連携も大事にする。「(私は)明るい性格で、コミュニケーションが強み。それを生かして物流業界内のつながりを深めたい。1社では実現できないこともある。地域の物流企業の社長同士で定期的な会合も行っており、情報交換を通じさまざまなことを吸収したい」と意気込む。
料理が趣味。調理道具をそろえ、有名シェフのユーチューブを見ながら作っている。単身赴任中で、「たまに会う家族に食べてもらうことが楽しみ」。