インタビュー

【 この人 】
ドライバーの地位向上へ

2024年11月12日
東京都トラック協会
水野 功 会長
浅井隆前会長からバトンを受け、会長に就任し約4カ月半が経過した。会員企業約3000社のリーダーとなり、「身が引き締まる。いろいろな人が入社したいと思える運送業界にするため、トラックドライバーの地位向上を目指したい」。
地位向上に向けては「業務品質向上につながる教育や、健康管理と処遇改善の両立が必要」とする。教育では、テレビゲームのように運転を模擬的に行うドライビングシミュレーターを、協会本部に約10台導入し、ドライバーが実技講習を受講できるようにする。
協会本部でeラーニングも受講できるようにし、車間距離など安全知識の基礎学習につなげる。「中小の会員が参加しやすい仕組みにしたい」
健康管理では会員の意識向上も重要となるため、東ト協の広報紙「東京都トラック時報」を活用し、情報発信に注力する。会議情報を伝える紙面とは別刷りにし、高齢ドライバーが多く課題の健康起因事故対策、糖尿病防止につながる食事の取り方の情報を提供する。
加えて、処遇改善に向けた運賃・料金交渉を呼び掛ける。国はドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題対策を推進しており、「追い風を生かすべき。この1~2年が大事」と話す。8月末の東京運輸支局の届け出状況を基に会員企業の届け出率を試算したところ、約6割だった。「まずは会員が届け出るよう、会長・副会長が集まる会議、支部長会議で関係者に伝える」
旅行が趣味の一つ。世界各国を訪問しており、「子どもが住むドイツのデュッセルドルフに一度行ってみたい」。