インタビュー

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【 新春インタビュー 】

魅力ある職場づくり急務 脱炭素推進にも注力

2023年01月17日

斉藤 鉄夫 国土交通相

 斉藤鉄夫国土交通相は、本紙らの新春インタビューでトラックドライバー不足を課題の一つとし、「労働条件改善による、魅力的な職場づくりが急務」と語った。昨年末改正された改善基準告示の順守へ、物流企業や荷主に周知を図る。脱炭素化推進に向けた環境対策にも注力する。

 ―運輸行政の抱負は。
 斉藤 トラック運送業界は担い手不足が課題。ドライバーは他の職種より労働時間が長く低賃金のため、有効求人倍率が2倍という状況が続いている。ドライバーの労働条件を改善し、魅力ある職場をつくることが急務。
 ―2024年度から、労働時間に関する新たな規則が動き出す。
 斉藤 残業上限規制と共に、ドライバーの運転時間などを定めた新・改善基準告示が適用される。改善基準を順守することは、ドライバーの健康確保や、担い手を引き付ける職場にするため、極めて重要だ。
 ―支援をどう行う。
 斉藤 厚生労働省や(物流や荷主の)関係団体と連携し、改善基準の周知徹底を図る。さらに、荷主を含めたサプライチェーン全体の取引環境適正化や生産性向上策の推進で、働き方改革実現と安定的な輸送確保に努める。
 ―脱炭素化にも注力。
 斉藤 運輸部門の二酸化炭素排出量は、日本全体の2割を占めており、脱炭素化を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)の推進が必要。今年度の2次補正予算と来年度の当初予算案で、400億円以上を支援費として盛り込んだ。23年度以降は財政投融資も活用する。
 ―具体的には。
 斉藤 EV(電気自動車)や充電設備導入の支援、企業の脱炭素化推進へ来年度新たに創設する「GX経済移行債」を活用した、電動車購入補助を実施する。物流施設への、再生可能エネルギーを活用した設備などの導入支援も展開する。