インタビュー

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【 この人 】

新たな産業の対応目指し

2022年10月25日

航空貨物運送協会 岡本 宏行 会長

 就任時の感想は「うれしかった」。6月の総会で鳥居伸年前会長(現副会長)からバトンを受けた。現在は、郵船ロジスティクス代表取締役副社長と航空貨物運送協会(JAFA)会長の2枚の名刺を持つ。客先で渡すと、今まで以上に航空貨物分野の話が広がる。
 長年取り組んできた安全・教育訓練・物流効率化の3本柱を推進していく。最も重視するのが輸送の安全。近年はEV(電気自動車)関連でリチウム電池の輸送が増加しており、無申告搬入などを見落としたりすると、リスクが高まる。発火にもつながり得る危険物を安全に輸送するため、従来にも増して会員企業への研修を充実させる。
 業界の発展を見据え、新たな産業に係る需要の取り込みで国に働き掛ける。特に成長分野として注目するのが半導体。以前、自社の仕事で熊本県を訪れた際、2024年稼働予定の台湾積体電路製造や関連する国内外の主要メーカーが進出を決定し、活気ある工場建設現場を自分の目で見て、さらなる成長の可能性を実感した。
 新型コロナウイルスの感染に伴うサプライチェーンの混乱の影響が残り、世界的な半導体不足が続くが、製造・流通が正常化すれば必ず特需が起こると確信。「JAFAとして事業のプラットフォーム(基盤)を整備し、会員各社が特需に対応できるよう、支援することも重要な役割に」。
 趣味は高校野球観戦。全国各地で文武両道を掲げる高校を広く応援する。将来、仕事を引退後は、ひいきの高校が出る地区予選を訪れ、各試合の内容をスコアブックに記録しつつ観戦し、試合終了後もお酒を飲みながら振り返る「旅」を続けるのが夢。