インタビュー

【 この人 】
〝不易流行〟を深化する

2022年08月03日
ランテック 嘉永 良樹 社長
設立70周年の節目を目前に、山中一裕前社長から5代目のバトンを受けた。新型コロナウイルスの感染拡大で新しい生活様式が浸透し、食のサプライチェーンがダイナミックに変化する中、「挑戦しがいのあるタイミング」と飛躍の構想を練る。
創業時から掲げる基本理念「不易流行」を堅持する。顧客第一主義、現場目線を「不易」とし、食の安心・安全を守る使命を果たしていく。一方で、「流行」は時代に即したサービスを迅速に提供すること。冷凍・冷蔵需要の高まりを背景に顧客ニーズは多様化している。センターの増強と同時に、従来型のTC(通過型)に加え、DC(在庫型)を取り入れる。「センコーで培った運営ノウハウ、顧客との関係性を存分に生かせる」と計算に入れる。
今期を初年度とするセンコーグループの5カ年中期経営計画では、売上高800億円を追求する。総投資額は400億~500億円を想定。拠点整備、中継ルートの拡充、ドライバーの待遇改善など、次の中計を見据えた先行投資と位置付け、「遅くとも30年までに売上高を1000億円の大台に乗せたい」とさらなる高みを望む。
基盤の人材育成は最重要課題。4月からグループの研修施設クレフィール湖東(滋賀県東近江市)に社員2人を指導員として派遣。冷凍・冷蔵輸送に特化した教育プログラムを3年間で確立させる考えだ。「将来的に九州で同様の施設を立ち上げ、広く業界に貢献したい」
昨年、副社長に就き、初めて九州に身を置く。嘉永家のルーツは熊本県玉名市。センコーとゆかりある同水俣市、ランテックの創業地は福岡県久留米市と「土地柄と伝統に縁を感じる」。