インタビュー

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【 この人 】

常に相手の立場で

2022年07月12日

JR貨物 犬飼 新 社長

 同じ中途入社組の真貝康一会長いわく、「気心が知れた仲」。JR貨物発足以降に入社した世代へ、いかに経営をスムーズにつなげるかという課題を共有しつつ、8代目のバトンを受けた。
 「入社以来19年、経済や人々の生活を支え、社会に貢献できる仕事であることをやりがいにしてきた」。社長就任後、社会的意義のある業務に従事することに自信を持ち、失敗を恐れず自分の守備範囲を広げるようにと全社員へメッセージ。自身が好きな野球に例え、「三遊間のゴロでも積極的に取りに行こう」と呼び掛けた。
 「本社の考えと現場の実態がかい離してはいけない」。現場へ足を運びつつ、全社員に貸与する携帯端末も活用し、「しっかりとコミュニケーションを取っていきたい」と。かつては中堅ゼネコンで営業職を務め、JR貨物に身を移してからも、主に営業畑を歩んだ。顧客目線に立ちながら、ほぼ365日頑張り続ける現場へのまなざしを忘れたことはない。
 広島支店長や北海道支社長、関東支社長を歴任し、「地方なりの苦労も経験。自らの目で現場を見て改善する大切さを痛感した」。その後は、鉄道ロジスティクス本部長、経営統括本部長として会社全体を眺めてきた。
 「常に相手の立場に立って考える」がモットー。鉄道事業の拡大に不可欠なパートナーである通運企業に対しては、「先頭に立って関係の構築に努めたい」。目下の人生訓は、松下幸之助の格言「悲観は失敗のもと 楽観は成功のもと」。悩める時、くよくよしても仕方がない。「楽観的に考えることが必要」。新時代のJR貨物グループを明るい方向へけん引していく。