インタビュー

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【 この人 】

新・ビンツー意識を醸成 

2022年03月01日

NX備通 鷲尾 忠彦 社長

 今年1月、備後通運がNX備通に生まれ変わった。備後地域に根付き、顧客から親しまれている愛称「ビンツー」を新社名に飾った。「転換点を迎えた。IT化による底上げや、意識の変革を遂げ、設立100周年に向けて成長を歩みたい」
 昨年4月に社長のバトンを受け取った。就任直後、改善や課題点などを探るアンケートを配り、現場の声に耳を傾けた。早速、でこぼこしている路面の舗装や安全帯の修正などに対応した。「真摯(しんし)な声を上げた社員へ、会社も本気度を示したかった」。意見が多かったトイレの改修や、老朽化した拠点の更新なども見据える。
 今回の社名改称では、まず顧客や地元へ認知を広げようと手を打つ。これまで技術職は名刺を持っていなかったが、新たに配布した。顧客が現場を視察する機会に直接、言葉を交わせば、信頼がより強固になる。「現場社員も荷物の先にある顧客が想像できれば、品質、サービス力がさらに高まるのでは」
 「私たちは、変わりました。これからも変わりません。」と社名変更と、高品質や顧客との関係性の不変を表現した広告を制作。早速、「(広告を)見たよ!」と反応にうれしさと手応えがあった。
 期首には「売上高100億円、営業利益率5%を目指す」と誓った。IT化による事務の効率化や運賃・料金の適正化、NXグループと提携した幅広さと独自の地域性を融合させ、成長し続ける企業を構築する。
 趣味はジョギング。日本通運松江支店長時代に地元のハーフマラソンの10キロメートル部門に出場し、ハーフ、フルと距離を伸ばした健脚を経営にも生かす。