インタビュー

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【 新春インタビュー 】

DXと自動運転に注力 生産性上げ働きやすく

2022年01月25日

斉藤 鉄夫 国土交通相

 斉藤鉄夫国土交通相は本紙らの新春インタビューで、「中小物流企業も含めDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、生産性向上を目指す」と語った。トラックドライバーの労働環境改善へ、一定条件下で運転を完全自動化する自動運転レベル4の実現にも取り組む。

 ―運輸行政の抱負は。
 斉藤 昨今の人手不足や新型コロナウイルスへの対応に加え、カーボンニュートラル(炭素中立)に向けた環境に優しい物流の構築へDXを図り、生産性向上を目指すことが必要だ。自動運転もドライバーの労働環境改善など、物流業界が直面する課題の解決につながる。
 ―DXは中小物流企業を巻き込むことが鍵。
 斉藤 中小物流企業を中心に、電話やファクスでの受発注など、アナログな手法に頼っている。事前に明確なメリットが分からなければ、コストの面でデジタル化をためらうことも想定される。
 ―支援をどう行う。
 斉藤 中小を含む物流企業の取り組み事例、効果、課題を調査・整理し、参考となるよう分かりやすく発信する。
 ―トラックの自動運転の取り組みも進む。
 斉藤 国交省では経済産業省と連携し、必要な技術の開発や実証実験を重ね、昨年2月に新東名高速道路で、後続車の運転席を無人とした状態での隊列走行を実現した。
 ―政府目標も迫ってきている。
 斉藤 政府目標は、2025年度以降のレベル4の自動運転トラック実現だ。目標達成へ、急な車両割り込み時の運転継続、車線の減少や分合流に円滑に対応できる車両技術の開発を支援する。