インタビュー

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【 この人 】

安心と感動、大切に

2021年10月05日

イー・ロジット 角井 亮一 社長

 3月26日のJASDAQ(ジャスダック)上場当日、ビデオ撮影し、従業員には家族に上場を知らせてほしいと伝えた。「従業員の安心感と自信につながり、親御さんにも喜んでもらえたのではないか」
 主力とする通販物流代行のセンター業務では、当たり前を徹底してこだわり抜き、改善活動を継続して作業品質と効率を高めていく。だから「物流は(決まった土地を耕し実りを豊かにする)農耕型で、安心して働ける職場づくりが大事」。
 通販物流代行で業界ナンバーワンでありたいとの思いは一貫している。1月に千葉県習志野市、6月には埼玉県草加市に新センターを開設し、首都圏6拠点、関西1拠点の計7拠点の延べ床面積は約15万平方メートル。来期には、大阪で2カ所目のセンター開設も計画する。
 特徴の1つは、大型物流センターをコンビニ店舗のようにドミナント展開することで発揮する出荷波動への対応力。「センター間でモノの移動も人の移動もスムーズに行えるため、出荷量が増えても柔軟に対応できる」
 上場を果たし、成長速度も増す同社が未来に描くのが「感動体験」の進化だ。緩衝材にクラフト紙を使い、1枚の紙を折り紙状に折ったり膨らませたりして商品を包む「折り紙梱包サービス」は一例。SDGs(持続可能な開発目標)を重視する顧客の商品こん包に紙テープを用いる工夫も凝らす。
 「ECを手掛ける企業から『いつかはイー・ロジットを利用したい』と思われるように、価格ではなく価値で戦っていきたい」。提案力を磨くための研修・教育にも一層注力する。