インタビュー

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【 この人 】

次の50年へ、礎築く 日本パレットプール

2021年09月28日

植松 満 社長

 来年に設立50周年を控え、辻幸則前社長からバトンを受けた。労働力不足対策やESG(環境・社会・企業統治)経営が求められる中、貨物の下の力持ちといわれるパレチゼーションの重要性は高まっており、日本通運で培った手腕が期待される。
 「企業は人なり」とまず全国16支店に足を運び、現場を鼓舞した。限られた人員では1人で複数の業務を担えるマルチスキル化(多能工化)が欠かせないと育成強化を掲げる。同時に、システムの自動化も推進し労働生産性を追求する。「当社で働いて良かったと実感できるように」
 次の50年に向けては「高品質なサービスの提供」「物流の効率化」がテーマ。同業者間で差別化は厳しいが、品質は譲れない軸だ。パレットの洗浄、迅速な手配、回収と顧客第一主義を徹底し信頼を得る戦略を描く。
 サービス強化の一環で、発信機付きパレット「フクLOW(フクロウ)」を昨年始めた。パレットの位置情報をウェブ上で把握可能で、紛失防止や稼働率の向上につながる。既に1万台に試験導入し検証と改良が進む。1年後には20万台に取り付ける、より効率的な運用で利益率を上げる考えだ。
 2021年3月期の売上高は69億円、営業利益は5億円と過去最高水準で推移する。「満足していない。売上高は100億円の大台、営業利益は10億円を目指す」。既存事業の拡大とともに、新商品やサービスといった新事業の開発に着手して第2の柱を育て上げ、経営の安定を図る方針。
 関西は13年ぶり。コロナ禍で行動制限はあるが、大阪で顧客や社員と酒を酌み交わす日が待ち遠しい。