インタビュー

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【 この人 】

「とにかく必死だった」

2021年05月18日

フレッシュ物流 福長 万里子 社長

 約20年間、フレッシュ物流が創業時から掲げる「女性の戦力化」の旗振り役として奮迅。昨年4月、創業者の小林茂社長(現会長)からバトンを受けた。800人超の従業員を束ね、成長へ導くトップとなった。
 同社は冷蔵・冷凍食品のセンター運営と配送に強みを持つ。事業エリアは東海3県で、地盤の三重県を中心に顧客志向の物流サービスを提供。地域ナンバーワンのブランド力を築くという経営方針を引き継いだ。
 「できることからやっていく」と気負いはなかったというが、就任した昨年4月は、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言の真っただ中。まずは物流を滞らせないよう、感染防止策を矢継ぎ早に打ち出し、全社に浸透させた。顧客に迷惑は掛けられない。「とにかく必死だった」
 一方で、2020年度の経常利益を前年度比で倍増させることに挑戦した。三重県下に小口配送する食品の取り扱いを強化し、荷物は18年に新設した自社最大規模の物流センターに集約。顧客の注文に応じながら荷物をまとめ、積載率を高めて配送する仕組みを軌道に乗せた。新たにゴルフ場への食品配送の受注も獲得した。
 結果、新型コロナの影響による小売り向け食品の取り扱い増加、燃油価格下落による利益創出効果もあり、利益は倍増には届かなかったものの、37期目で過去最高額となった。
 今期は「改めて気を引き締めて臨む」。新型コロナへの対応を教訓に、従業員のケアに万全を期し、不測の事態にも対応できる盤石の体制をつくる。進めてきた短時間勤務など多様な働き方も「これまで以上に進化させていきたい」。