インタビュー

メインビジュアル

【 50周年インタビュー 】

挑戦、創造を重視し実践 IT、海外で新展開描き

2020年11月17日

中越通運 中山 和郎 社長

 1970年12月の設立から50周年を迎えた中越通運(本社・新潟市)。直近10年間では物流エンジニアリング部隊を組織し、ITシステム提案を強化。通運事業を伸ばしつつ、IT機器販売、タイ事業化と次の10年を見据えた展開も見せる。中山和郎社長は「伝統を大事にして、新しいことにも挑戦していく。中越グループの一角としてさらなる成長を目指す」と話す。

 ―10月に50周年祝賀会を開催した。
 中山 新型コロナウイルスの影響下でためらいもあったが、節目に当たって半世紀の歴史を振り返り、感謝の上に、次の半世紀に向けて夢を描き、挑戦し、変化することが重要と考えた。
 ―過去10年間でも新事業を起こし成長してきた。
 中山 物流システムの設計・販売を手掛けるカオス、IT機器商材を取り扱うテッパなど複数の会社を設立し、着々と新たな事業の種まきを進めてきた。売上高は200億円を突破した。

中越グループ一角担い発展

 ―ホールディングス体制も計画する。どのような企業体になるのか。
 中山 全体像としては中越グループがあり、その中で当社と中越クリーンサービスを核にホールディングスを設立し、資本関係にある「連合企業(ユナイテッドコーポレーション)」と連携展開する。連合企業は、大成建設との共同出資で2003年に立ち上げたネットワーク・アライアンスを含め異業種11社から成り、連携しつつ個性を持ち味にしたアメーバ的経営手法で発展させていく。
 ―変化を重視する。
 中山 時代の変化スピードが速い。顧客層を見ても、かつて農産物や基幹産業中心だった時代からホームセンター、総合スーパー、ドラッグストアといった小売業、さらに外食チェーンへと広がった。温度帯別食品共配では、羽生(埼玉県羽生市)、仙台(宮城県岩沼市)、新潟(新潟市)の3カ所のALC(Advantage Logistics Center)を整備し、独自の情報システムも構築した。
 ―提案力が強み。
 中山 物流エンジニアリング部隊は、情報システムと絡めた踏み込んだ改善提案を行える点で、数ある3PLの中でも優位性を持つ。独自設計したシステムを顧客に使ってもらい、利用料を得る事業モデルはネットワーク・アライアンスで共同出資する大成建設エンジニアリング本部に学んだ発想。そこに従来基盤である区域、通運、倉庫とALCを有機的につなげ、輸送協力会社とも連携して3PLを提供するのが当社のスタイルだ。
 ―他に、次の10年間では何を伸ばすのか。
 中山 テッパ社による骨伝導イヤホンを活用した音声ナビピッキングシステムなどIT商材の販売支援の強化や、新たな市場開発に向けたタイ進出事業の深耕を図る。今年4月にタイ開設準備室を新設し、3人のタイ出身者を正社員に迎えた。

売上高300億円長期目標掲げ

 ―通運事業にも引き続き注力する。
 中山 創業時からの在来部門については改良を加え再構築を図る。そのうち通運事業は、発着コンテナ個数(12フィート換算)を月間7000個程度に増やし、全通ランクで現行15位程度からベスト10位入りを果たしたい。
 ―伝統に甘えない。
 中山 伝統を大事にしながらも、甘んじることなく変化する環境・つながりの中で新しいことに挑戦していくとの考え方がベースにある。
 ―「令和10年長期計画」を策定した。
 中山 2028年度に中越通運単体で売上高300億円(19年度比38%増)の目標を掲げた。足元では新型コロナによる厳しい状況が続くが、未来を見据えて進みたい。