インタビュー

メインビジュアル

【 この人 】

業界の地位向上を

2020年10月13日

鹿児島県トラック協会 鳥部 敏雄 会長

2期4年務めた中村利秋前会長からバトンを受けた。「業界が社会から、より認められるよう安全を主眼に置き、地位向上に努めたい」と誓う。
鹿児島県は昨年、Gマーク(安全性優良事業所認定)取得の伸び率が全国1位を記録。認定率は現在41・3%で、2024年度に50%へ引き上げる目標を掲げる。県産品を関東、関西へ届けるため長距離輸送は避けられず、運送各社が法令を守る意義は大きい。
鍵は適正化事業の巡回指導充実。だが指導員の数が限られる中、県内約1000事業所のうち実績は年約300件。「指導員を増強し、年1回の巡回を実現したい」。協会を定年退職する人材を再雇用して各支部に配置するなど、本部と支部の人材を組み合わせて効率を高め、巡回数を増やす意向。「巡回のイメージを変えたい」と指導員を〝CAコンプライアンスアドバイザー〟と呼ぶ。各社と寄り添い健全化を加速させたい考えだ。
異業種からの転身で、業界改革への思いは強い。1980年代にシステムエンジニアとして活躍し独立。創業者の娘婿の縁でセイコー運輸に入社し、システム部門を統合させた。「ゼロからのスタート。まずは仲間づくりを」と、JL連合会が鹿児島で協同組合を設立することを機に全国各地の同士と絆を深めた。かつては協会内に若手15人で21世紀政策委員会を立ち上げ、研修施設の設立やベストエコドライバーコンテスト開催の実績を残した。
新型コロナウイルス対策や高速料金問題など課題は多い。ベストスコア298を誇るボウリングの腕前で、一つ一つのフレームを乗り越える覚悟だ。